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2006年11月 アーカイブ

2006年11月03日

今週のおさらい

30日、朝事務所、午後東工大、夜事務所。月曜恒例のToY2の勉強会もいよいよ佳境。各メンバーとも、それぞれのコラムの方向性を定めつつあります。終わる頃、藤本壮介さんから月評の感想メール。「分析のための分析」「肉声が聞こえない」など、藤本さんらしくソフトですが厳しめなコメントでした。早速、お返事を書き始める。

31日、新建築11月号届く。毎月末に翌月の新建築が届き、数週間の苦しく、楽しい時間が始まるのですが、今月も巻頭から伊東さんと藤本さんの対談あり、SANAA、SOSの新作あり、と見所満載。今月も悩みそう。

月評って、なんていうか、「Z会」みたいな感じなんですよね。添削はないですけど。

10月号の自分の月評については、議論の軸はそれなりに明快なものができたと思いますが、文章表現のレベルで整理しきれなかった感あり。今月はいよいよ最後なので、ぴしっとキメたいところ。

1日、午前事務所、午後東工大。ゼミで発表を試みるも塚本師の反応はイマイチ。23時頃終了。仕方がないので終了後後輩と飲みにいく。そういう夜もありますよね。

2日、午前事務所、午後東工大。件の国際ワークショプが終了。Mappingというお題はやや空振り気味でしたが、学生たちは終盤で急激な盛り上がりを見せ、いつになくプロダクティブな最終プレゼ。数年前に比べると学生の英語レベルも上がっている感じがしました。終了後、おでんパーティでシメ。21時、事務所戻り。

・・・いつもはここで終わりなのですが、この日は事務所から戻って24時、後輩Y、N、Sと緑が丘で待ち合わせ。最近YやFが夜中に近所を走っていると聞き、つられて先週くらいからひとりでなんとなく走り始めたのですが、この日は一緒に走ることになり合流。30分だけ走る予定が、いつの間にか駒沢公園まで往復することになり、途中道を間違えるなどした結果、合計10km近く走ってしまいました。最後は無駄にラストスパートなどしてゴール。15年ぶりくらいに部活的風景。気持ちよすぎる。

3日、朝から後輩Sを引き連れ101design+川口有子さんによる「多摩の家」オープンハウスへ。最下階のシンプルな郊外住宅的な空間から最上階の東工大的空間へ至るシークエンスの展開が面白かったです。

4日、深谷でsoupdesignによる「KNOT」オープンハウス。土井さんとは今年の学会ワークショップ(ArchiTV)の審査員でご一緒させて頂きました。ある意味ではとても埼玉的な、厳しい文脈に対し最大限の建築的パフォーマンスで応答されていて、とても刺激になりました。

5日、千駄ヶ谷でAPPOLOによる「GRAPH」オープンハウス。Tokyo Canalで一緒だった小牧君の初現場担当作ということで全力ゼミメンバーの伊庭野(N設計)、本瀬(F事務所)と見に行きました。小牧君が軽くテンパり気味だったので質問を控えめにした結果、「外は何ですか」「公園です」「いい環境ですね」みたいな、不動産屋さんと内見に来た客のような会話を交わしてしまいましたが、気持ちのよいインテリアでした。次回の担当作は来年夏竣工予定とのこと。楽しみです。

そんな一週間。

fujimura

2006年11月12日

ポストモダン論から人生相談まで


6日、朝事務所定例後、東工大で東授業。「ポストモダンの3大特徴」のおさらいから始まり、フォード主義から監視社会へ至る流れの解説後、「リベラリズムとネオリベラリズムの対立は表裏一体。結局はコミュニティとアーキテクチャーの二層構造」の説明へ。だんだん佳境に入ってきました。研究室経由で事務所へ戻り、夜はToYの勉強会。

7日、留学の際お世話になったロータリークラブから講師としてお招き頂き、久しぶりに所沢へ。帰国後に一度伺って以来なので3年ぶり。

予定通り少し早めに会場のホテルに到着し、講師席で準備を始めると・・・プロジェクターの端子が合わない。新しいMacBookの端子は今までと違うらしい。

ヤ・バ・イ (ー□ー;)!!。

建築の話をするのにスライドなしはあり得ないし、会場は既に満席。焦りつつも、ダッシュでコンビニへと走りCDRを手に入れ、ホテルにあるノートパソコンを借りてPPTのデータをスライドで取り出して移動し(この間5分程度)、なんとか乗り切りました。久しぶりに冷や汗をかいてしまいましたが、話のほうは事前に台本を用意したのでなんとか予定通り。

8日、ゼミ。4年生は比較的先が見えてきたような感じ。章立てができるといよいよ論文の季節だなー、みたいな感じになりますね。

9日、あるプロジェクトで正念場のプレゼ。設計の根幹に関わる部分の変更の要望を頂いてしまい、1から再設計かと血も凍る思いでしたが、入念に資料を準備し慎重に議論を重ねた結果、無事これまでの私たちの主張を認めて頂き、予定通り進行できることになりました。ありがたいことです。

深夜、後輩Y改めYY、S改めKと走る。駒沢公園まで往復8km。慣れるとわりと余裕なのでは。

10日、構造打ち合わせ後、事務所に戻ってまたすぐ施主プレゼへ。渋谷駅で地下鉄を降りたら肩をたたく人がいて、振り向くとアパートメントの滝口さんでした。

11日、坂戸でロータリー財団奨学生募集要項検討会議。今年から地区の財団奨学生OB会(学友会)の会長を務めさせて頂いているので、こういう会議などに出席するようになりました。「申込書を自筆で」「『2枚以内』を『2枚』に」などと、要項の文言を修正。

事務所に戻り、いくつか打ち合わせた後、夕方はプリズミックギャラリーの中央アーキのオープニングへ。彼らとも学会ワークショップでご一緒させて頂いたのですが、3人ともナイスキャラクターで人間的な魅力を感じます。現場が進行中とのことで、竣工が楽しみ。早く同世代で互いの作品を批評とかできるようになりたい。

12日、後輩Iと菊池公市+メジロスタジオの「成瀬が丘の集合住宅」のオープンハウスへ。寡黙で丁寧に仕上げられた作品。建築って作品に人柄出ますね。

渋谷に戻り、そのまま喫茶店でIの人生相談に乗っていたはずが、いつのまにか自慢話を聞かされているというパターン。その後事務所に月評を考えるも挫折。

今週はこんな感じでした。

fujimura

2006年11月14日

永山祐子「光と影」その後+メーク建築

永山さんの展覧会が始まって3週間。たくさんのお客さんに恵まれた展覧会になってます。先日はご師匠の青木淳さんもご来場。ありがたいことです。ていうかTARO NASU OSAKAの青木展は良いです。一ユニット3.5万円の、照明入り発砲スチロールキューブ。これがつながってユニット化し、照明のオブジェになっています。永山展を企画しているときも思ってたんだけど、いま光って考えるべきタイミングに来てると思うんだよなあ。

ところでこの永山展は、4年前に見たafloat-fの衝撃が動機になっています。あの、異常な光量が投入された屋上庭園の不気味さ。空間が光で出来上がっている建築を見て、こういうことをできるというのはどういうことなのかと、ずっと考えていました。

永山さんにはこの展覧会に対して「この展示ひとつとってそれを永山さんの作品だと言えるような、空間と呼んでもいい展示にしてほしい」とお願いしました。建築の展覧会ってただでさえ仮設的だし、建築の展覧会は、ふつう、模型と写真が主な要素。ちょっと気が利いて図面とかスケッチが加わる。もうちょっと気が利いてオブジェみたいなインスタレーションをつくる(サーペンタインとかも大雑把に言えばこれ)。でも今回は、ぜんぜん建築的じゃない展示がメイン。まったく建築じゃないと一見思えてしまう「光のおもちゃ」がそれです。二枚の偏光板の間に、イマジナティブなモチーフが描かれたアクリル板をはさみ、観察する。組み合わせのパターンがたくさんあり、いちど自分で遊び方を見つけると(解説もついてますが)けっこうはまります。これいいですよー。おかげで観客の滞在時間が今までで一番長いかも。「個人的に」楽しめる展覧会になってると思います。一人で来ても二人で来ても、三人以上でも楽しい。来た人それぞれが楽しめるものになっているのではないかと。

いわゆる建築写真も、2300mm×3000mmの巨大パネルが2セットとか、魅力的なスケールアウトぶりです。パネル写真の前に立って、立っている様子を離れたところから別の人に撮影してもらうと、写真上では、オープンハウスに行ったかのような写り方になってしまうぐらいでかい写真です。

青木さん書き下ろしのテキスト(2000字)が入ったリーフレットと、ポストカードも売ってまして、これがまたかわいいです。

そういやこの「メーク建築」は、isshoの集合住宅を見て思いついたような記憶があります。「モテメイク」を建築にも。ていうかいつからそんなあっけらかんと「モテ」が語られるようになったんだっけ。けれんみの向く方向が、いまはそっちなのか。いやもう全然知らない領域なのでなにがなんだか。ただ、化粧って光の操作(見え方への興味)だとは思います。

yamasaki

2006年11月20日

ご来客

ここしばらくはご来客が続きました。まず火曜日には西澤徹夫さんがご来館。

ひと通りご挨拶していろいろとお話ししていただけました。青木事務所出身の西澤さんにお聞きしたかったのは、事務所内でのディテールの継承方法。周知の通り原則四年制の青木研。さいきんディテール集が出たわけですが、青森のようにひとつのプロジェクトにおいて担当者が複数いる場合や、プロジェクトの途中で担当が変わる場合、次にやってくるスタッフが必ずしも経験豊富なわけではないはず。むしろ大学を出てすぐの若者である可能性が高そう。青木さんが直接口を出す場面はなんか少なそう(←想像です)。となると、実務経験の浅い新担当者はどうやってディテールを克服し、プロジェクトを完遂させるのか。事務所になんかとっておきの分類方法とか、対処マニュアルがあるんじゃないか。

とまあそういう疑問を、実務ばりばりのインテリア事務所で働いている友人が常々口にしていたのです。で、お聞きしてみました。結論から言うとそういったマニュアルめいたものはいっさいなく、新担当者はとにかく勉強するらしいです。あとは昔の作品を参照して、OBに直接電話したりするんだとか。まあそうですよね。でも青木研のスタッフ同士が独特のつながり方をしているからこそなんだろうな(青木さんの誕生日には毎年OBが相談してプレゼントを決め、持っていくんだそう)。それに若くして世に放り出されるっていう事情もあるだろう。採用段階で、まだ知らない新しい知識に対して素直なひとが選ばれているのかもしれない。

週の後半には阿野太一さんが再び上洛されていたので、金曜日に龍門へ。岡田さん森田さんとかとくやまにも声をおかけしつつ、阿野さんの情報ツウぶりに驚嘆しながら料理を堪能。この日は龍谷大学のキャンパス内に作られた飯田善彦作品の撮影だったそうですが、撮影日における各社カメラマンの駆け引きのお話しなどなどなどなど伺う。こういうプロの貴重なお話し、プラクティカルな意味でなにかの役に立たないものでしょうかほんとに。

今日は神戸芸工大の花田先生がいらっしゃいました。afloatの現場工事をご覧になったことがあるとか。正直うらやましい。偏光板の実験コーナーにいたく感じ入ってらっしゃいました。このコーナーにはまると、多くの人の滞在時間が大幅に更新されます。

あと個人的には、X社にちょっと書かせてもらった原稿や、初めて構成から文章までやらせていただいた、イラストレーターへの取材原稿の最後の詰めの作業とかしてました。とくに後者のお仕事は畑違いすぎて面白く、仕事としてもとても勉強になりました。いや建築だって畑違いには違いないんですが、正直もうなにが自分のフィールドなのかわかりません。どちらも来月出ます。

yamasaki

2006年11月21日

テーブルにつく


13日、朝イチで某所の現場にて施工業者と打ち合わせ。施工会社の社長は僕よりも若い方でした。予定より長引いて午後の東授業は欠席。

事務所へ戻り、夜はTable of Youthの勉強会。この日で第2期の最終回を迎えました。「建築ノート」の巻末企画として始まった第1期から約1年。留学や就職などでメンバーの半分が入れ替わり、現代思想や社会学の知識がある人、卒業設計やコンペで賞を取っている人、独自の創作論を展開する人など、今回も各大学から多彩なメンバーが集まりました。

このところ集中して週1回のペースを維持したおかげで、話題もそれぞれに展開し、ユニークな評論集になりました。前回と同様、「建築ノート」2号の白黒ページに掲載される予定です。事務所での議論はどうしても実務に偏るので、こういう機会はとても貴重ですね。引き続き第3期に繋げて行ければと思います。

14日、朝事務所に出て、午後は塚本研のゼミ。その後留学生の自己紹介+帰国組の報告会。留学先で得たものは様々あるようですが、留学は帰ってきてからの過ごし方のほうがむしろ難しいと思います。頑張ってほしいものです。

15日、構造打ち合わせ。「かたちをもっとシャープに」とリクエストが入る。期間もコストも限られているなかで勝負できることを一瞬のうちにまとめなければならない場面では、筋力のようなものが問われます。

16日、某社でプレゼ。基本的な方針は認めて頂いたのですが、プランに不安があるということで細かい詰めをすることになり、スケジュール変更することに。事務所へ戻ると友人Tから「近くまで来た」ということで連絡があり、会いました。深夜、後輩YY、Kと走る。

17日は終日仕事。夕方打ち合わせ。

18日は13:00施主プレゼ。その後東工大に行き作業した後、事務所へ、19:00に塚本研の先輩OBのカガワさん来所。ときどき事務所に遊びに来られては、進行中の模型や図面にありがたい突っ込み(というか脅し)を下さる優しい先輩です。今回は「建築家は内装というと棚ばかり作る」とご批判を頂く。

19日は朝から埼玉に戻ったり、いろいろ用事をこなして、19:00より全力ゼミ。いつもは飲み屋とかで互いの近況報告をしながら議論するというざっくばらんなスタイルなのですが、「もう少し生産的な議論をしたい」ということで今回からは事前に統一のお題を出して各自レジュメを準備することに。

どうしても時間が取れず手ぶらで出席したところ、他のメンバーは全員レジュメを書いてきており軽く気まずい。どのレジュメも濃い内容で議論に花が咲きました。全員実務をやっているので、ToYとは違うテンションの高さがあります。

彼らは基本的に東工大の後輩たちですが、研究室も違うし、特に接点がある訳でもなかったのです。彼らが就職してからときどき終電で会うようになって議論するうちになんとなく始まったこのつきあいも、早いもので1年半近く続いています。それぞれ仕事が忙しいのにもかかわらずダレることなく集まりが維持できているのは、メンバーの意識の高さによるところが大きいですね。今後が楽しみです。

今週はこんな感じでした。

fujimura

2006年11月26日

レクチャーから自慢話まで


20日、朝は事務所。原稿が大詰め。月評に加え、建築ノート、Jtの作品解説など立て込んでいる。19時よりUBC(ブリティッシュコロンビア大学)のスタジオにお招き頂きレクチャー。前回の講師が乾久美子さんで、翌々日が藤本壮介さんの講演だそうですが、他の方々よりも年齢が近いということで、なるべく素な感じでお話させて頂きました。

英語というのもあり質問にはあまりうまく応えられなかったのですが、今村創平さんがいろいろフォローして下さいました。ありがとうございましたm__m。

21日はプレゼデー。まず朝11時、青山の某社へ伺ってプレゼ。まとまる。事務所へ戻り、15時、今度は埼玉で施主プレゼ。1回目なので緊張しましたが、無事受け入れて頂くことができました。事務所に戻り、新建築の月評ゲラを送信。これで全12回終了。編集部の中村さんには最後までご迷惑をお掛けしてしまいました。18時半、渋谷の某社で3件目のプレゼ。こちらもなんとかOK。

22日、朝11時に編集事務所にて建築ノートの企画「Table of Youth」の原稿提出+打ち合わせ。メールでもよかったのですが、いろいろご迷惑をお掛けしていることもあり、あえて持参することに。担当のKさんとお話しして雑誌全体の空気感もつかめました。今回も面白くなりそう。

午後は塚本研のゼミ。その後留学生の自己紹介+帰国組の報告会の2回目。深夜、後輩YY、K、Nと8kmくらい走る。

23日、終日仕事。16時オーノさん来所など。

24日、朝事務所、15時塚本研でゼミ。卒論、修論ともに大詰め。つかもと師も以前言っていましたが、「M2の冬」はとても楽しいもの。論文執筆の最終段階は思考力の伸びを実感できる機会ですし、特に修士の学生は純粋に「研究だけ」に集中できる人生最後の時間だと思います。そういう時間を共有できるのは楽しい。

25日、後輩I、F、Mと千葉事務所の見学会へ。Mを待つ間、後輩Iが「会社を辞める」というのでFと話を聞いていたところ、(いつも通り)ただの自慢話に。

集合住宅はスタッフによるツアーガイド形式で、我々のガイドは塚本研出身の後輩T。生意気キャラだったTも、だんだん落ち着いて来たなあと思う。建築は駅前、雍壁という土木的なスケールへの対応と、千葉さんらしい図式的なプランのまとめ方でした。設備スペースの解き方は執念としかいいようのない緻密さで、とても勉強になりました。コストのこともあると思いますが、窓にしろ、中庭にしろ、ヒューマンなジェスチャーが全くないのがこの建築の特徴だと思いました。15時、事務所に戻っていろいろ詰め。

今週はこんな感じでした。

fujimura

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