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2007年に向けて


年末は慌ただしく、いろいろ楽しい出来事があった。思い出していくつかご報告。

16日22時過ぎ、F本事務所に勤める後輩Mから「芸大の後輩が藤村さんの事務所に興味があるそうなので、ポートフォリオを見せに行きたいと言っている。私も同席します。」というヘンテコなアポを取られたので待っていると、後輩Mがひとりで登場。

Mは遅れてきたうえになぜひとりでいるのかもわからない。他方で事務所のスタッフは来客にコーヒーも出しておらず、なんという段取りの悪さ!とイライラしつつ冷蔵庫に牛乳を取りにいくと、ガチャリと事務所の扉が開き、扉の向こうに後輩がなんだか大勢いるのが見えた。しかも全員にやにやしてこっちを見ている。

事態を飲み込めずあんぐりしていると連中がどやどやと入ってきた。東工大の連中は卒業生から学部2年生まで、オープンデスクに来てくれている明治大学の学生とか建築ノートのToYに参加しているメンバーなど、いるわいるわ、総勢30名近く。最後に後輩I(よく出て来る)が大きな箱を抱えて登場。

みんな17日が僕の30回目の誕生日と知って集まってくれたのでした。

大きな箱の中身はなんとK-PROJECTのかたちをした特製ケーキ。正確に1/100で、パイプシャフトのメッシュがチョコレートで表現されているなどディテールも完璧。1階はちゃんと浮いており、ガラスが飴で表現されている。サッシュの寸法の違いまで表現してあって、しかもちゃんと最新案なところがマニアック。

聞けばこの日のためにみんなでケーキ作りを画策していたそうな。自作しようと思ったが無理だと悟り、ケーキ屋をあちこちあたって結局ヨックモックで特注したのこと。ケーキ用の図面を引き、若いパティシエと打ち合わせしながら作ったらしい。なんなのその行動力?

なんか花束とかプレゼントとかいろいろもらって何から何まで過剰な演出。もはやネタとしか思えないがここまでされちゃうとやはり嬉しい。しかしみんなよく集まったなあ。K事務所のMは、「さっき打ち合わせ終わって駆けつけました」と言っていたし。

驚きのあまり気の利いたリアクションできなかったけど(泣くとか)、一生忘れられない思い出になりました。みんなありがとう。

23日、信濃町のハウス・アンド・アトリエワンにて恒例の合同忘年会。アトリエワン、塚本研、貝島研のメンバーとそのOBOGらが集合。20日に新建築住宅特集の若手特集が出たので、その話題なども出る。つかもと師が「若手の作品はディスプレイ的でよくない」などと批判するので「マドビルなんてディスプレイそのものなのでは」などとみんなで言い返す。

今年はOBの作品が続々と発表されたこともあり、酒も入って次第に激しい批判合戦へ。忘年会でつかもと師を囲んでこういう議論をするのは初めてだ。後輩たちは遠巻きに眺めている。自分の作品を背負って議論をするというのがかくも楽しく、厳しいものだとは。結局明け方まで議論は続き、一層の気合いが入る。

27日夜、藤村事務所の忘年会。8月の納涼会とあわせて恒例になりつつある。いつものようにオープンデスク君たちに少し早めに集まってもらい、事務所を掃除して、模型をきれいに並べ、料理と酒を用意して、オープンな感じで。19時きっかりに編集者の中村謙太郎さんが来られたのを皮切りに、同世代の建築家、構造家、設計事務所に勤める人々、学生、編集者、大学の同級生や後輩等、続々と集まる。入れ替わり立ち替わり、延べ100名近くはいただろうか。いろいろな人に会えて、近況報告や情報交換をすることができた。忙しいのに毎回顔を出してくれる方もいてありがたい。またやりますのでよろしくお願いします。

28日、早稲田のsyncで恒例のsyncactiveに参加。syncのメンバーとゲストが集まり1年の報告を行い、それについてみんなで議論をするというガチンコな忘年会。今年で3回目。ちょっと遅れて到着すると中村謙太郎さんが軍艦島のスライドショーをしているところだった。

続いて田中浩也さんが久原真人さんとのユニットTENTでの活動を中心に発表。札幌でのつららをモチーフにした照明の作品など、徐々に活動の幅を広げている。松川さんが執拗に創作の動機を問う。ふたりの掛け合いは漫才のようで、聞いていて心地よい。

次が僕で、「建築のスタディと形態の論理性」というテーマで発表。田中さんに「君は何ですぐ創作の根拠を『都市』に結びつけたがるのか」と批判されたが「それは田中さんの創作の根拠が『美』で語られるのと等価でしょう」と反論してみる。相変わらずみんな鋭く、テンションが上がる。

続いて写真家の阿野太一さん。「後輩の鈴木さんという人のスライドショー」>中山英之さんの「2004」の写真(カラー)>「2004」の写真(白黒)>「青森美術館の写真で建築家や関係者に選ばれなかった写真群」が順に発表される。最後の写真群について「これを作品と呼べるかどうか」という阿部さんの問いかけについて、みんなで議論する。

mosakiは今年一年の執筆活動と、co-lab.の活動を報告。2006年は合計50本のインタビューを行ったのだという。相変わらず旺盛な意欲に頭が下がる。その後異業種交流とコミュニティについてなど議論。

次は松川さん。Urban Computerというタイトルのケータイ空間へのコンペ案をプレゼ。いつものように自信たっぷりな松川さんにみんなで反論する。特に田中さんと僕は「この案はコンセプトであってデザインではない」という点にこだわったが、松川さんは「それがデザインだ」と譲らない。そうやって議論を戦わせるうちに、互いの立場が理解されていく。

最後にASDの田畠君。関東学院大学の授業で作った「関数空間ー海の家」のプロセスについて。建築のコンセプトも素晴らしいが、教育のプロセスとしてもとても興味深い。

各メンバーとも、それぞれの分野で活動を拡大しているのが素晴らしく、いい刺激を受けた。みんな自分のやりたいことを掴んで、真摯に追求しているのがいい。

例年時間が足りないということで14時に始められたこの会も、結局終了したのは深夜3時過ぎ。前日の忘年会と違い少人数の集まりではあったが、その分議論も深まって、とても濃密な時間を過ごすことができた。

こうして振り返ると、今年も年の瀬に有意義な議論をたくさん共有することができ、この1年を総括し、次の1年に向けて勢いをつけるための、よい機会となった。よきライバルたちに負けないよう、2007年も気を引き締めて頑張りたい。

というわけで皆様、今年もご愛読ありがとうございました。よいお年をお迎えください。

fujimura

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2006年12月31日 00:16に投稿されたエントリーのページです。

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