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2007年01月 アーカイブ

2007年01月25日

寒中お見舞い


申し上げます。今年もよろしくお願いします。

4日、10:00事務所年始のミーティングで仕事始め。実家に帰っていたスタッフの顔色がよい。13:00研究室年始ミーティングでこちらも仕事始め。つかもと師に論文のテーマを言い渡され、「そろそろ潮時だろう」と言われる。

5日、14:00からつかもと研のホルヘの博士論文発表会。つかもと研からは初めての発表者ということもあってか、つかもと師が緊張している。細かいところはいろいろ取りこぼしがあったが、テンポの良いプレゼと冷静沈着な質疑応答を聞きながら「優秀だなー」と感じる。

博士論文は「なぜその研究を行うのか」というイントロや研究と研究のつなぎ方等、全体構成の問題が大きいと改めて思った。夜は同世代の建築関係の友人たちと飲み会。I君の入籍に乾杯。おめでとう。

6日、某プロジェクトのため「建築計画のお知らせ」看板を設置。いよいよ近隣。

10日、近隣でさんざん搾られた後、ハウス&アトリエワンへ。今村創平さんにお声をかけて頂き、つかもと師、ロンドン在住の島崎さん、東大の南後君と僕とで集まりが開かれた。contextを建築のテーマとしている島崎さんが塚本さんに共感を示し、今村さんが突っ込みを入れるという基本形を、若手2人が眺めるという構図。南後君はルフェーブルに詳しく、ルフェービリアンの塚本さんがいろいろ質問している。

14日、休日だが朝9時から全力ゼミ。その後ベルラーへOBの人々とランチ@青山。

15,16日は近隣説明会。参加者の方々から野次が飛ぶ場面もあったが、入念な準備が功を奏し、なんとか無事終了。資料の形式や会場のレイアウトなど、工夫が活きた。特に論文発表会の経験を念頭において準備した想定問答集は役に立ち、ほとんどの質問は想定の範囲内で済んだ。

19日、その昔、証券会社でバイトをしていた際にお世話になったSさんと、当時のバイト仲間だったT君が来所。Sさんとはしばらくお会いしていなかったが、今年の年賀状を見て事務所の法人化を知り、わざわざお祝いを持ってきて下さった。バイトとはいえ厳しい職場で、怒鳴られながら仕事を覚えた。挨拶の仕方や報告や連絡の大切さ、後輩の面倒を見ることなど、社会人としてのイロハをこの人からいろいろ教わった気がする。まだまだ駆け出しではあるが、こうやって近況をご報告できるのは嬉しい。

20日、11時、松川昌平さんの車でSFCへ。松川さんと、田中浩也さんの授業の最終講評会が同じ日に行われ、ゲストクリティークに呼んで頂いた。

田中さんの授業は「パブリック・アレンジメント」というテーマで、「公共圏」がテーマである。松川さんがシステム理論のフレームで参加者の提案を整理し、みんなで所感を述べあう。もう少し議論したかったが時間が来て終了。

松川さんの授業は自身の展開する「関数空間」というコンセプトを授業のテーマにしていて、参加者にまずプログラミングを習得させ、それをもとに建築の設計が行われる。冒頭で僕と、松川さんのコラボレーターである瀧口浩義さん、田中さんが最近の仕事を紹介し、参加者のプレゼ、審査講評を行う。

クリティークをダブルヘッダーでさせて頂いたのは初めての経験だが、どちらも刺激的な内容だった。ここでの議論をこの日限りで終わらせるのはもったいない。何らかのかたちにまとめたい。

その晩、プリズミック・ギャラリーに駆け込み、中村拓志展のオープニングへ。スライドレクチャーの最後の部分を聞くことができた。中村さんの作品は全体的に演劇的だが、最近は「Lotus Beauty Salon」とか「ネックレスハウス」など、構成的、形式的な作品も顔をのぞかせており、中村さんが今後どのような建築的文脈を展開するのか、楽しみである。

次は藤村展(3/16-5/6)なのだが、中村さんの展示を見て、自分のやるべきことは僕のなかでかなりはっきりした。これから気合いを入れて準備したい。

21日、朝から全力ゼミの連中とミーティング。午後は同級生の長谷川豪が設計した住宅で新年会。つかもと師が夜遅く登場。その後23時、事務所にてミーティング。

以下、告知等(五十嵐さんふうに)。

*インタビューアーとして参加させて頂いた建築文化シナジー「旅。建築の歩き方」が刊行されました。ここでは松原弘典さんと、曽我部昌史さんのパートを担当させて頂いています。松原さんは構成的な話し方をされる方だったのですんなりお話を伺えたのだが、曽我部さんは僕が無理に構成をつくろうとするとするりと交わされてしまい、難しかったことを思い出します。どのインタビューも面白いので、ぜひご一読を。

*「新建築」2007年1月号にて、ギャラリー間の千葉学展の展覧会評「そこにしかない問題を、明らかにする形式の可能性」を寄稿しました。後輩から「あれいいっすね。」と感想をもらう。

*「建築ノート」02号が出ました。今回も巻末企画「Table of Youth」を担当させて頂きました。東京近郊の大学院生を中心に声を掛け、それぞれの関心に従って週1回ペースでレジュメを持ち寄り、意見交換を重ねた成果をテキストにまとめるというもの。前回と半分のメンバーが入れ替わり、新鮮さをキープしつつ、掘り下げる部分もあるという、独特の空気感を内包したページになったと思います。こういう機会から次世代の書き手が生まれるといいですね。

*2月9日16:30より、名古屋工業大学でレクチャーをさせて頂くことになりました。一般にも公開されるとのことでしたので、東海地区にご在住の方はぜひ足をお運び頂ければ幸いです。

fujimura

2007年01月27日

オープンデスク考


最初に「設計事務所」というところに行ったのは学部2年生の頃、表参道駅近くのビルの谷間にある、中庭を囲んだ平屋のオサレなオフィスだった。デペロッパーの下請けでマンションばかり設計しているところで、マンションの模型ばかり作り続けた。

そのうちN建設計とかN本設計などの大手組織設計事務所にバイトに行くようになった。「模型番長」みたいな(女の)人がいて、模型の作り方をいろいろ教えてもらった。

初めてアトリエ事務所にオープンデスクに行ったのは大学院に入ってから。SxLのコンペで大賞をもらった時に、つかもと師に「ほうびをやる」と言われて紹介されて以来、伊東事務所に通い始めた。そのときの仕事はアルミ建築をテーマにした「Alchitecture展」の模型作りで、入所したての中山さんが担当だったので毎日楽しかった。伊東さんはたまに見かけるという感じで、気がつくと背後からじっと模型をのぞいていたりする。風のように現れては消える感じに「建築と同じだ!」と興奮を覚えたりした。

その後、事務所を持つようになって、オープンデスクを呼ぶ側になった。「学生」というとどこにでもいるようだが、事務所のスタディのペースに見合うだけの人手をコンスタントに確保するにはそれなりの工夫を要する。とくに私たちのように模型を大量に作る事務所では、人手の確保が設計の質を左右してしまいかねない。

今、うちの事務所に来てくれるオープンデスクの主力は学部2年生と3年生である。4年生になると研究室に所属してしまうので呼ぶことができず、M1は就職を前提に動くので、結局頼りになるは彼らである。

幸い、2004年と2006年は東工大で2年生の設計製図のアシスタントをしていたので、多くの2年生と知り合うことができた。最初の住宅課題が終わった頃、元気の良さそうな学生数人に声を掛け、しばらくつき合っていくうちにコアな数人が残ってレギュラーのように通ってくれている。

建築学科の2年生とはいえ、最初はどうにも使い物にならない。「面取り」も「一枚残し」もろくにできないし、連絡もせずに欠席はするし、挨拶もせずに帰って行く。だから最初はそのあたりを丁寧に教えないといけないのだが、やがてそのうち言わないでもきちんと掃除をし、しっかりと挨拶をして帰るようになる。3年生も後半くらいになると力がついてきて、時間の読みも正確になるし、自分たちで議論しながら段取りをし、手分けしてきれいな模型を作ってくれるようになる。

2006年の夏休みは試みとして、期間を2週間ごとに区切って募集をしてみた。きちんと終わりを定めて通ってもらい、ずるずると期間を伸ばしたりしないことにした。そのかわり期間中は集中して毎日定時に通ってもらった。2週間くらいならばスケジュールも調整しやすく、挨拶や模型道具の使い方など一通り教えるのにちょうどよい長さだと考えたのである。結果、学生の上達も早く、こちらとしても指示が出しやすく、成果としてはまずまずであった。

今年の2年生をみていると、夏休みに2週間手伝いにきていた子たちは、その後の課題でも順調に成果を上げているようにみえる。模型で差がつくのはもちろん、段取りがよくなるのでプレゼもうまくなるし、設計の内容も次第によくなる。ひとつひとつの課題で成果を出すようになれば自信もつくようだ。

こちらとしてはせっかくいい感じに育った連中が4年になると途端に来てくれなくなってしまうのはイマイチ残念ではあるが、実際のところそのくらいのスパンがちょうどよいのかも知れないとも思う。学部のうちは身近な事務所で集中して通い、修士になったら就職を睨んで憧れの事務所に狙いを定めて通うのがよいだろう。

他方、夏休みや春休みなどの長期休暇は、地方の大学に通う学生たちと知り合えるいいチャンスでもある。2006年の夏休みには遠く新潟や大阪からも来てくれた。オープンデスク慣れしている東京の学生に比べると最初は覚束ないが、変にスレていないので上達は早い。

昨夏に1ヶ月ほど通ってくれたある学生は、帰ってから「急に模型が作るのが好きになった僕をみて、皆が驚いていました。」と言っていた。また別のある学生は「人生で最も濃密な時間を過ごせた。」と言っていた。私たちが何か特別なノウハウを提供した訳ではないが、ひとりひとりと丁寧に向き合おうとする姿勢が、どこか通じたのではないかと思う。彼らはこの春休みにも再び参加してくれる予定である。

というわけで(前置きが長いが)、2007年春休みのオープンデスクを募集しております。申し込みはこちらまで。お待ちしております(^_^)/。
fujimura

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