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名古屋工業大学レクチャー


6日、工学院大学のA君という学生からメールがあり、早速7日からオープンデスク開始。「泊まり込み可能です」と売り込んでくるだけあって初日から手際が良い(実際に泊まり込むことはなく、春休み期間中のオープンデスクは毎日22時までに終了させるようにしている)。そろそろ卒制も片付いてきたのか、各大学の学生から続々とオープンデスク希望のメールが入っている。いい感じだ。

8日、16時半八束研の唯島君来社。打ち合わせ。しばらくして、南後由和君来社。3人で座談会を行い、収録。南後君とゆっくり話をするのは初めて。いい議論ができたように思う。

その後19時半、K社に勤める同級生のM来社。打ち合わせ+情報交換。23時終了。終電で東工大へ行く。製図室をのぞくと、さすがに緊張感が感じられるようになってきた。後輩Kは順調にスタディを進めているようだ。

9日、朝、出社後、昼過ぎの新幹線で名古屋へ。16時少し前、名古屋工業大学に到着。北川啓介先生と約8年ぶりに再会。

北川先生とは1999年、コロンビア大学のサマースクールに参加した際に出会った。その後何度かメールのやり取りをさせて頂いたあとはご無沙汰してしまっていたが、覚えていて下さり、今回のレクチャーに呼んで下さった。

今回は学部生向けの授業の一環で、名古屋を拠点とする吉村昭範さん+篠原真基さん、東京から中村拓志さんと僕とで3夜連続のレクチャーシリーズとのこと。前日、前々日とも大いに盛り上がったらしく、「『月評』効果(?)で他大学からもたくさん申し込みがありましたよ。」とハッパをかけられる。参加人数は最終的に100名くらいになりそう、とのこと。

予定の16時半になり、会場へ移動。小さな講義室のようなところかと思っていたら、大きな階段講堂のようなところに案内され緊張が高まる。

・・・と思いきや壇上に上がってしまえば意外にも興奮のほうが勝り、テンションが上がる。経歴を紹介して頂き、レクチャー開始。

今回は学部生向けということもあり、「学生時代の作品から紹介してほしい」というお話だったので、悩んだ末、下記のような4部構成にした。

1.2005- 藤村事務所での作品
2.2003-2005 ISSHO時代の共同設計作品
3.2000-2003 塚本研、ベルラーへでのリサーチ
4.2001- Dual Space Study(個人でやっているリサーチ)

1はUTSUWAとK-PROJECTに絞り、設計の詳細や制作プロセスや設計プロセスをやや丁寧に紹介。2は作品解説を比較的淡々と。3は塚本研で参加した「ペット・アーキテクチャー」とMVRDVのヴィニー・マース・スタジオで参加した「SATELLITE URBANISM」という対照的な2本のリサーチを紹介。4は修士の頃からずっと考え続けている「空間と情報の関係」をテーマにした都市空間の経験についてのリサーチで、僕の一連の設計活動において通奏低音を成しているアイディアでもあるので、最後に総括的に紹介。

最後は1-4のまとめとして、現代社会における建築の可能性について、このところ議論し、考え続けているところを述べさせて頂く。全体に、作品についてというよりは、そのような作品を構想させるに至った背景、特に塚本研や、ベルラーへ、昨年の月評などの執筆活動で感じたことについては強調して話した。予定通り90分で終了。

休憩後、質疑応答+議論。都市空間と建築のスタディの関係、設計における感覚と論理の関係、身体感覚についての考え方、留学で学んだことについて、など質問が続く。思ったよりも話を正確に捉えてもらえたのが嬉しいと同時にやや驚く。社会人とか、東京から来たという人もいた。19時過ぎ終了。

意外だったのは、今回のレクチャーの内容について「社会学的なアプローチ」と表現する人が多かったこと。「社会学」的な説明は一切していないし、そういう単語も使っていないので不思議ではあったが、「社会工学科卒」という経歴がそういう印象を与えるようだ。

ちなみに、「社会工学」とは「社会に対して工学的にアプローチする」という学問であるが、話した内容は「工学化する社会に対してどうやってアプローチするか」というもので、ちょっと違うのだが、人から言われるとある種の因縁を感じざるを得ない。

終了後、北川研究室に戻り、懇親会。北川先生、学生の皆さんと話す。「パラサイトシネマ」などの、北川先生の最近の活動についてもお話を伺うことができた。「名古屋のインフラは整いすぎている」という北川さんの認識は面白かった。オランダ人の認識と似ているかも知れない。

最近は学生たちをどんどん海外に連れて行っているのだという。北川研の皆さんは元気がよく、それでいて適度に緊張感があってまとまっている雰囲気が素晴らしい。限られた時間ではあったが、いろいろな人と話せてよかった。

レクチャーは、自分の考えをまとめ、ストーリーをつくるのに絶好の機会だ。うまく今後に繋げて行ければと思う。お世話になった北川先生、学生の皆さん、どうもありがとうございました。
fujimura

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2007年02月11日 21:27に投稿されたエントリーのページです。

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