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2007年04月 アーカイブ

2007年04月01日

ROUND ABOUT JOURNAL vol.1 全コンテンツ解説

1日夜は花見を兼ねROUND ABOUT JOURNAL編集者で打ち上げ@六本木。お互いの記事の感想など。おかげさまでいろいろなところで読んで頂いているようです。ありがたいですね。

では、勝手にコンテンツの解説など。

山崎泰寛「『議論の場』の設計」
最初に山崎さんにこのフリーペーパーの企画を相談したとき、「なぜ藤村展の会場にフリーペーパーがあるのか、説明が必要だ」と指摘され、解説をお願いしました。「議論」することと「設計」することが切れそうになっているところを、うまく繋いでくれました。

松川昌平+田中浩也「『誘導』から『栽培』へ!?」
2006年末のsyncactiveと松川さんと田中さんのSFCでの授業の講評会での議論がなかなかヒートアップしたので、それの延長で座談会を企画した結果、5時間ぶっ通しのガチな議論に。巻頭記事にふさわしい、熱い内容にまとまりました。文字起こし手伝ってくれた長瀬君は大変だったと思います。どうもありがとう。

福西健太「『カーン』と『セシル』の間で」
福西君とはかれこれ7年くらいの付き合いです。伊東さんが最近のGA JAPANでペン大のセシル・バルモンドのスタジオのことを話しているのを読んで「へぇ」と思っていたらたまたま福西君から久しぶりにコンタクトがあって、ペン大にいることを知って急遽お願いして書いてもらいました。彼らしい素直な言葉で紡がれる戸惑いの言葉がいいですね。

石上純也+徳山知永「自然な思考の流れをつくるために」
TN probeでの石上さんのレクチャーを聞いたとき、アプリケーションを作って設計をしていると聞き、興味を持っていたので、アプリケーションを書いた徳山君にも同席してもらって、その話をメインで聞きました。石上さん独特のリズムを誌面でも感じて頂ければ嬉しいです。

長坂常「『宙ぶらりん』にしたまま設計する」
長坂さんは、直接対象に取り組むというよりは、対象の捉え方の手法に工夫を重ねるタイプで、CGとかコンピューターというツールがそこに重ねられているということがよくわかりました。長坂さんのキャラクターがよく出た記事になっていると思います。

松岡康友「建築のロボット化」
「情報技術の進化との関連性から建築を眺める」ということで僕としてはキタキタキター!、みたいな。機会があれば彼の作品や研究を交えてもっと聞かせて欲しいですね。

畑克敏+城間真琴「検索過程と比較過程」
藤村事務所のスタッフに、伊庭野君が切り込むというスタイルが、うまくハマったような気がします。ふたりの性格が浮かび上がっているのでは。

山本茂「藤村事務所が『模型』でやっていること」
オープンデスクの山本君へのインタビュー。インタビューしてみて、考えたことをはっきり言葉にできるという点において、とてもレベルが高いと感じました。

柄沢祐輔「『ゼロの風景』へ、『超論理性』を以て介入せよ」
同い年で、Table of Youthなども一緒にやっている柄沢君ですが、ちょうど同時期(2002-2003年)にオランダに滞在していたということもあり、背景をいくつも共有しているので話しやすかったです。Table of Youthで展開している「脱シミュラークル」というコンセプトと、「非ユークリッド幾何学CAD」というアプローチの繋がりが見えたのは個人的に大きな収穫。

青木弘司「若手からみたワカテ〜形式的で、模型的で、検索的な建築について〜」
藤本事務所で活躍している青木君とのメール対談。塚本さんと同級生だった山田深さんの研究室の出身なので、どこか親戚のようでもあり、気楽に暴投してもキャッチしてくれるような安心感があります。今回の誌面で展開されている様々な議論の、見取り図のようなコンテンツになりました。

青柳創「壁の厚みが気になる」
書き流した大人の文体で読ませますね。「壁の厚み」への想像力は、「あちら側」へのそれと重なるものがあります。

本瀬あゆみ「風景と呼ばれないもの」
ひょっとするとこのテキストは、郊外空間論としても読めるのでは。テアトロ・オリンピコを用いてビーナス・フォートを批判するというのは切り口としてなかなかシャープです。

成島大輔「無数の消失点が、一本の地平線になる」
後日、成島さんの絵本のような作品を頂いたのですが、そこで表現されていた世界観をみて、このテキストの意味もよくわかりました。彼が問題にしている「無数なもの」「無限なもの」「永遠なもの」への恐れや憧れに、大量消費社会や情報化社会のイメージを重ねることもできるような気がします。

佐野哲史「不完全性を設計することはできるか」
ミースvsシャロウンという構図はちょっと図式的になってしまったけど、彼の問題意識がストレートに出た論考になりました。設計しないで余ってしまう空間と、余すことを設計する
空間の違いを説明するのは難しいですが、設計のテーマとして興味深いです。

次回、vol.2の解説も書きます。

fujimura

2007年04月05日

ROUND ABOUT JOURNAL vol.2 全コンテンツ解説

ROUND ABOUT JOURNALの解説の続きを。vol.2は都市編です。

Droppaper
本瀬から「毎月1回キンコーズに集まり、その場で割付と印刷をして媒体を制作する、という活動を続けている人たちがいる」と聞き、見せてもらったところ、その即物性がなかなかカッコ良く、都市面の表紙をお願いすることに。最後にカリヤ氏が図版を2度傾けたことで、ライブ感をうまく保存できた気がします。

南後由和「『建築的思考』を召還せよ!?」
南後君とは、10+1の現代建築思潮研究会で初めて会い、一度じっくり話をしてみたいと思っていました。ここでは、出たばっかりの『東京から考える』をとっかかりに、社会学と建築学の架橋の可能性について議論しています。この議論を経て、建築家が社会を論じることの価値について堂々と発言してもよいのだ、と素直に思えるようになりました。

唯島友亮「超2層構造論ー『科学的超現実主義』というコラージュ」
ToYなどにも参加してもらっている唯島君ですが、ここではマニアックなキャラを前面に押し出してもらおうと思いました。「竹中久七」という1930年代のマイナーな理論家の文章を発見した、というので、それをベースに展開してもらうことにしました。脚注も遠慮せずに増やしてもらったところ、とてもマニアック・ポップな論考に仕上がりました。

吉田桂子+和泉芳典「『吉田さん』と『和泉くん』」
ルフェーブルvsフーコーという構図は熱いのだけど、そのままだと抽象的になりすぎるので、対談という形式を採ることで問題の構造を人間関係で理解できるようにしたら面白いのでは、と思いました。短い字数でしたが、唯島君の論考と相補的でもあるし、南後君との対談の内容を受けています。

川西敦史「軽さについて」
「1995年」というキーワードに対して、正面から取り組んでくれました。加速する消費社会と、自らの震災体験の記憶の不連続性を彼自身の言葉で紡いでいて、迫力のあるテキストです。

伊庭野大輔「Your Landmarkー無数の超高層建築と、無数の地域的領域」
もともとは構成論として書かれた彼の修士論文を、私小説ふうに開いたもので、景観論としても読めますね。「東京中を自転車で走り回った」というその身体性を強調することで、伊庭野のスポーツマンっぽさも出たし、都市空間に対する身体の介入という現代的なテーマにも接続できたのではないかと思います。

坂東幸輔「ランダムリサーチ」
元スキーマのスタッフで、今ハーバードに在学中の坂東君によるスタジオレポート。主観的な情報の集合から設計に有効な客観性を抽出する手法を指した「ランダムリサーチ」というタイトルは、良い言葉を見つけたな、と思います。

Samira Boon「マスクが作る日本の風景」
デザイナー、Samira Boonのインタビュー。彼女の「フロシキシキ」の名刺入れは、建築業界でも愛用者が多いですね。英語の途中に「ええと、ここでところてんが運ばれてきましてー」という日本語が入る間合いが最高。

村井一+藤井亮介「都市ランニング論ー都市構造を測る!」
長距離をやっていた村井君と、趣味でマラソンをやっている藤井君のマラソン対談。日頃のマラソン体験と、各都市のマラソンコースの比較から、「都市構造を測る」というテーマについて話しています。

藤井亮介「マラソン・モードの東京ー東京マラソン2007体験記」
松島潤平「ローカル・モードの東京ー東京マラソン2007応援記」
時事ネタで東京マラソンレポート。走る側、見る側からみることで、重層的なリポートになっています。当日の非日常性や高揚感を感じさせますね。

小川裕之「交響空間」
代々木公園でのパーティを行って来た過程で獲得された公共性について、体験的に語ってくれています。社会に対して単に抗うのではなく、従うでもなく、周辺と議論しながら自分の居場所を定めようとする意思にとても共感します。

益子悠「(K PROJECTを主題にしたマンガ)」
芸大デザイン科出身で、mashcomixとしての活動や、イラストレーターとしても活躍中の益子さんに、K PROJECTをモチーフにしたマンガの制作を依頼。松島がマンガヲタっぷりを発揮し、素晴らしいやり取りをしてくれて、奥行きのある作品に仕上がりました。

松島潤平「都市の建築をマンガのようにしか経験できない」
隣ページのK PROJECTマンガの解説でもあり、益子論でもあり、建築論でもある。mashcomixの体験から入り、「マンガ中毒キャラ」という設定を介して都市の経験に繋いでいく構成はなかなか完成度高いです。

藤井亮介「早送りされる風景ー世界を映す鏡としてのマンガ」
ToYでも展開してくれた「マンガ建築論」が風景論となってバージョン・アップ。「トラベル」の図像がビデオの早送りに似ている、というところから議論が展開していきました。出版元から図版掲載のOKが頂けたのは大きかったですね。

北川健一「『建築ケーキ』のデザインプロセス」
あのケーキを作ってくれた、ヨックモックのパティシエ北川氏へのインタビュー。伊庭野の「ケーキ用図面」も公開。

尾田のぞみ「先へ」
担当作での体験をベースにしながら、建築がどうやったら自然に建つことができるか、という(真っ当な)問題を論じています。消費社会の中で、それでも建築が生産されなければいけない現代の状況についての戸惑いがストレートに言葉になっています。

土屋匡生「映画館の21世紀」
映画館からみた消費社会論。横浜駅西口の名画座とMM21のシネコンを対比させ、新たなオルタナティブとしてのQ-AXを位置づけています。8講座出身とのことで、北山さんの作品やタームが出てきます。

玉井夕海「水の家」
玉井さんは芸大の建築科出身。「千と千尋の神隠し」リン役を経て、映画「もんしぇん」で脚本・音楽・主演を務め、女優としても活躍中。自分と世界を繋ぐ「水」の尊さ、偉大さ、を語ってくれています。

しんけたつま「ジェスチャーにかんする覚え書きよっつ」
しんけ君のことは10年くらい前から知っていて、しばらく音信が途絶えていましたが、最近再会しました。彼らしいジェスチャーでジェスチャーについて語るという内容。文章の構成と段組みも合っていますね。

刈谷悠三「議論のレイアウトー建築論と都市論のクロス・ワード」
右開き、縦組みで展開されてきた建築論と、左開き、横組みで展開して来た都市論を繋ぐという誌面のコンセプトについて。今回は「1995年以後」という大きな枠組みしか手がかりがなかったので、誌面の形式性によって救われた部分が大きかったと思います。

うーん、都市面にふさわしい、バラエティに富んだ内容ですね。以上、解説でした。

5月6日までPRISMIC GALLERLYで無料配布中です。

ROUND ABOUT JOURNAL vol.1+2は下記のスポンサーのご提供を頂いております。
株式会社INAX 日新工業株式会社 (50音順)

感想、ご批評をお寄せ下さい。メールはこちらまで。

fujimura

2007年04月30日

藤村龍至展、終了間近

会期終了が近づいてきました。まだの方はぜひお立ち寄り下さい。

なお、当初DMやリリース等では「会期中無休」とお知らせさせて頂きましたが、会場の都合により5/3,4はお休みとなりましたのであわせてお知らせ致します。

藤村龍至展
会期 5月6日(日)まで 5/3,4休
会場 PRISMIC GALLERY(プリズミック・ギャラリー)
   107-0062東京都港区南青山4-1-9秋元南青山ビル5F
   (東京メトロ銀座線外苑前駅徒歩5分)
   03-5770-4751 (土日・祝03-5770-4139)
   日曜・祝日はお手数ですが、ビル裏手駐車場内の通用口よりお入り下さい。
URL http://www.prismic.co.jp/gallery/
時間 10:00-17:00 入場無料

会場では、「設計のプロセス/プロセスの設計」をテーマとして、これまでに竣工した店舗や進行中の集合住宅を中心にご紹介(会場風景)しているほか、フリーペーパー「ROUND ABOUT JOURNAL」を配布しています。

近隣ではギャラリー間で「アトリエ・ワン展」が開催中の他、新国立新美術館やミッドタウンなど話題の施設も続々オープンしましたので、ゴールデンウイーク中、あわせて散策されてみてはいかがでしょうか。いずれも徒歩圏内にあります。

○ギャラリー間「アトリエ・ワン展」(毎週土曜日に人形劇の上演があります)
○21_21「Chocolate」(深澤直人ディレクション)
○国立新美術館(「モネ展」ほか

なお、私は会場には常駐しておりませんが、5/1,6にご案内等で行く予定があります。

皆さんのご来場をお待ちしております。

fujimura

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