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「批判的工学主義」を提唱する

13日、10:00打ち合わせ@田町、事務所に戻り、13:00dot architectsの家成さんと大東さんと待ち合わせ@原宿。27日のApple Storeでの発表内容を少し話し合う。その後、東大本郷キャンパスへ。工学部1号館の建築学科図書館で南後君、柄沢君と待ち合わせ。

この日からUMAT (UBIQUITOUS MEDIA ASIAN TRANSDORMATIONS)が始まる。17:00少し前、安田講堂へ。手続きをしてフリードリヒ・キットラーと蓮實重彦の基調講演へ。キットラーのレクチャーは難解でよく分からなかったが、対して蓮實さんのレクチャーはとても分かりやすい。逆に「あらゆる映画はサイレント映画の1形式に過ぎない」という主張は分かりやすすぎて、そのパフォーマンスが意味するところが分からないと感じたが、柄沢君が「磯崎さんが『住宅は建築ではない』と主張するようなものではないか」と言っていてなんとなく腑に落ちる。

終了後、パーティにて田中純先生、吉見俊哉先生、情報学環の院生の人たちなど、いろいろな人をご紹介頂く。

14日、9:00事務所に全力ゼミのメンバー、刈谷さん集合。9月末配布開始を目標に準備を開始したばかりのフリーペーパー『ROUND ABOUT JOURNAL』のキックオフ・ミーティング。13:00ゼミ@東工大。修論がいよいよ大詰め。19:00UMAT打ち合わせ@事務所。こちらも発表前日。

15日朝、徹夜明けのまま東大へ。朝から台風による大雨。慌ただしく準備し、セッション「1990年代以降の日本の都市・建築ー情報化する風景の批判的分析」開始。聴衆は全部で30名ほどか。塚本研からも数名来ている。最初は日本人のみしかいなかったので、日本語で始めたものの、途中で外国の方が入って来て英語に切り替わる。

最初は僕自身による「郊外型商業空間における物理的条件の構成とその 可能性」。スーパーマーケット等の二層構造の話。次に柄沢君による「1990年代以降の建築における情報空間に関する提案の分析」は、「虚の不透明性」という概念について。そして南後君による「戦後日本の都市空間における建築家の位置」は、近代以降、1960年代までの建築と土木の分節について。

そして最後の共同発表「情報化する社会における空間の実践 にむけて」。ミッドタウンから始まり、インフラが自動作動する社会=「工学主義」の社会的条件を明らかにする「リサーチ」とその批判的応用を行う「設計」として再定義し、「批判的工学主義」の実践を提唱して締める。

発表は何とか予定通り済ますことが出来たが、やや押してしまい、討議の時間が30分ほどになってしまったが、コメンテーターをお願いした若林さん、五十嵐さんからひとつひとつコメントを頂く(五十嵐さんの日記におけるコメントはこちら)。

若林さんからは「『批判的工学主義』はメタファーなのか、実践なのか」「誰に向けての提言なのか」というように、議論のスタンスを中心に、五十嵐さんからは「丹下・メタボリズムと『批判的工学主義』を繋げるという理解でいいのか」「ケネス・フランプトンも『批判的地域主義』を提唱する際に具体例を出し、理論に説得力を持たせたが、発表で提示した例はどう捉えればいいのか。」など、議論の繋がりを中心にご質問を頂いた。

会場では田中純さんもずっと聴いて下さっていたので最後に伺うと「アーキテクチャー型権力は政治の問題。政治を問題にするべき。」と短い激励のコメント。

途中から日本語オンリーの議論になってしまい、外国人は徐々に退席していったが、最後まで聴いていてくれていた外国人がいて、話したらRob Shieldsさんだった。「バーチャルなものにもフォーカスしなさい。」「窓を開けたとする。そこにコミュニケーションが生まれる。それはヴァーチャルなもの。フィジカルなもの以外にも建築の役割がある。」と熱く語られた。

関係者で食事に行き、南後君、柄沢君と午後のセッションの発表をいろいろ見て回る。他の人の発表は分野が違うこともあり、ディテールもコンテクストもきちんと理解できたわけではないが、メディア論や都市論の現在の空気感のようなものはなんとなくつかむことが出来た。

10+1のno.47号の同じ特集で寄稿しているドミニク・チェン君と会ったり、2002年にTrading Placesというワークショップで一緒だったマティアス・エチャノヴェ君に再会したり、その他たくさんの同世代の研究者と話が出来たのは刺激になった。またこのような機会があればぜひ参加したい。

終了後、本郷の居酒屋にて打ち上げ。徹夜明け+いろいろな発表を見て頭の芯が疲れている。おもわずウトウトしてしまうが、柄沢君は半分寝ている僕に向かって「藤村君は工学主義とレジティマシーの関係はどう思う?」とか、容赦なく質問を浴びせて来る。答えているうちに目が覚め、話しているうちにまた眠くなる・・・。

22:30頃、「批判的工学主義」の議論の継続的実践を約束して解散。今後、『10+1』やフリーペーパーなど、いくつかの媒体で議論を展開していく予定があるので楽しみだ。いつになく爽快な気分で帰途につく。
fujimura

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2007年07月17日 12:20に投稿されたエントリーのページです。

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