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2008年01月 アーカイブ

2008年01月01日

明けましておめでとうございます

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。
fujimura

2008年01月03日

LIVE ROUND ABOUT JOURNAL開催のお知らせ

フリーペーパーROUND ABOUT JOURNALの編集作業が大詰めです。残るは数コンテンツのみ。頑張ります。

さて、既にいくつかの媒体には告知を出しているのですが、来る1/19から1/26にかけて、下記のイベントを開催致しますのでお知らせ致します。

イベント:『LIVE ROUND ABOUT JOURNAL』

概要:フリーペーパー『ROUND ABOUT JOURNAL』を「ライブ編集」するというコンセプトのもと、会場にて建築家のレクチャー(15分程度)+インタビュー、その文字起こしやレイアウトなど、取材・編集作業をすべてライブ形式で行い、『ROUND ABOUT JOURNAL』を即日発行するというメディア型のイベントです。そこで得られた素材はフリーペーパーとして会場にて展示されるとともに、次号の記事の一部となります。

詳細はこちら

日時: 平成20年1月19日(土)・26日(土)2:00p.m〜8:00p.m
場所: INAX:GINZA(>) 7階 クリエイティブスペース

ゲスト・レクチャラー(1月19日):大西麻貴+百田有希/伊庭野大輔+藤井亮介/武藤圭太郎/中央アーキ/長谷川豪/吉村英孝/松川昌平/田中浩也/永山祐子/中山英之/南後由和(モデレーター)

ゲスト・レクチャラー(1月26日):釜萢誠司+針谷將史/g86/伊藤暁/柄沢祐輔/藤村龍至/平田晃久/南後由和/中村拓志/吉村靖孝/ドミニク・チェン(モデレーター)

定員:100名(申込不要・先着順)
入場料:無料
主催:TEAM ROUND ABOUT(藤村龍至/山崎泰寛/伊庭野大輔/藤井亮介/松島潤平/本瀬あゆみ/刈谷悠三)
共催:株式会社INAX
お問い合わせ:有限会社藤村龍至建築設計事務所
TEL:03-3463-0161 FAX:03-3463-0162

フリーペーパーはイベントの終了時(20:00)に配布する予定です。

以上、よろしくお願いします。
fujimura

2008年01月08日

ROUND ABOUT JOURNAL vol.3 完成間近!!

2008年1発目のアウトプット、フリーペーパー『ROUND ABOUT JOURNAL vol.3』の輪郭が見えてきました。

特集「都市ビューティ革命 表層と深層を架橋せよ!」

シュウ・ウエムラ/ドミニク・チェン+柄沢祐輔+南後由和+藤村龍至/平田晃久/中村拓志/吉村靖孝+吉村英孝/藤原徹平/勝矢武之/長坂常/武藤圭太郎+虫鹿元博/岡部明子/エイドリアン・フォーティ/マティアス・シューラー/伊藤暁/g86/益子悠/藤井亮介/松島潤平

企画・編集:藤村龍至/山崎泰寛
編集協力:伊庭野大輔/藤井亮介/松島潤平/本瀬あゆみ/刈谷悠三
デザイン:刈谷悠三
発行予定:1月19日(LIVE ROUND ABOUT JOURNALにて配布開始予定)
発行部数:5000部(予定)

前号の後に見えてきた課題「表層/深層」や「批判的工学主義」について、「郊外」や「素材」をキーワードに、熱い議論がクールに展開。

巻頭はなんとシュウ・ウエムラさん!!座談会、若手建築家へのロング・インタビュー、メール対談、コラムなど、かなり豪華かつ濃密な内容になっています。

松島潤平の日記にも取材風景などが紹介されています。

今回もかなり衝動的に作りました。でも、読めば次の文脈が見えてくるはずです。

ご期待下さい。

インタビュー記事をアナウンスした矢先ですが、ウエムラ氏が12月末に逝去されたとのニュースが飛び込んできました(>)。今度のRAJが最後のインタビュー記事になったそうです。心からご冥福をお祈りします。
fujimura

2008年01月13日

ほっと胸を撫で下ろす

4日、10:00事務所にて仕事始め。新たな1年の始まり。年間計画などを話す。15:00ゼミ。

5日、打ち合わせ。19:00事務所にて新年会。いつも通り大勢の友人、学生、編集者の方などが集まってくれた。4:00くらいまで。終わって片付けをして、腹が減ったのでスタッフとセンター街へ出てラーメンをすする。

6日、9:00より刈谷と山崎さんとRAJ3の校正をするも終わらず。入稿は来週に持ち越しに。

8日、11:00八束先生のご紹介で「トウキョウ・コレクション」の審査員をすることになり、学生ふたりが説明にやってくる。修士2年生だからか、落ち着いている。3/6(木)にヒルサイド・テラスにて行なわれる予定の公開審査会に佐藤淳さん、馬場正尊さんと出席する予定。13:30よりK-PROJECT現場打ち合わせ。懸案事項が片付いてきて少しずつ前向きな雰囲気になってきた。17:00論文打ち合わせ。つかもと師と査読の返信の文案を詰める。

9日、11:00INAX打ち合わせ@銀座。会場にていろいろ詰め。レイアウト、オペレーション、告知方法など。15:30あるプロジェクトの顔合わせ@品川。各社から出席して総勢15名近いが、最近はこういう会議のスタイルにも徐々に慣れてきた。中座して17:30施主打ち合わせ@和光。かれこれ2年近く打ち合わせしてきているが、ようやく仕上げの打ち合わせに到達。事務所に戻って20:00よりRAJ3打ち合わせ。終電で帰宅し、1:30後輩Kと走る。いつもの通り駒沢公園まで往復7km弱。最後は一応ダッシュして部活っぽく。

10日、編集のFさん来社。コンセプトを練る。13:00元大成アメリカ社長のTさん来社。かれこれ10年前、アメリカを旅行したときにお世話になり、以来ずっと年賀状をやり取りさせて頂いていたが、年始に連絡を頂き、ご友人の方々と共に事務所を訪ねてきて下さった。事務所の様子などお話しさせて頂く。16:00ドミニク・チェンさんと打ち合わせ@六本木ヒルズ49F。LRAJのモデレータを務めてもらうので、出演者のことやイベントの概要など。移動して17:30、ゼミ@塚本研。修論の詰め。20:00Ka編集打ち合わせ。

11日、打ち合わせのあとスタッフと分かれ、17:00松島とmashcomixの皆さんと打ち合わせ@外苑前。とある企画のご相談をしたところ、快諾してくれた。今、ノリにノっているチームだけあって、何かとてもわくわくさせられるオーラを感じる。

12日、13:00より慶応SFCで松川昌平さんが担当されている授業「デザイン言語」のゲストクリティークへ。田中浩也さん、柄沢祐輔さんと一緒に。

この授業は、アルゴリズミック・デザインを日本で唯一展開している授業と言ってよい。敷地も用途も自由で、最初にプログラミングを教え、そのスキルを用いてデザインをデベロップする。アウトプットは、A1ボード+模型+プログラム。

学年が混ざるため成果には多少バラツキが出るが、全体にすごくレベルアップしていて、松川さんの試行錯誤が学生たちを確実に後押ししていると感じられた。当然講評にも熱が入り、アルゴリズミック・デザインとは何かについて立場が分かれ、最後まで議論が盛り上がる。

1点だけ気になったのは、学生たちの多くが、最終形のみをプレゼンテーションしていたこと。アルゴリズミック・デザインとはプロセスへの注意が最終形を決定する、というのがキモなのだから、ボツになった案や試行錯誤の過程を含めてプロセスをもっときれいに表現するべきなのだ。たったそれだけのことで、設計の意味など根本から変わってしまう。

RAJ1の巻頭座談会(「誘導から栽培へ!?」)に始まり、『10+1』のアルゴリズム特集へ連なる一連の議論は、もとを正せば昨年1月にこの授業のクリティークで松川さんたちと議論をして大いに触発されたことがきっかけだった。SFCの学生たちもRAJを熱心に読んでくれているようで(ある学生が黄色く変色したRAJを見せてくれた)、とても嬉しい。

21:00、事務所に戻って刈谷と山崎さんと3人でRAJ3校正続き。建築でも編集でも論文でもそうだが、何事も「終わった!」と思ってからが長い。赤を入れ、隅々まで繰り返しチェックする。それでもまだ修正事項が出てくる。何度もチェックして、修正を繰り返してなんとか4:00終了。これでようやく校了である。週明けには入稿し、1/19のINAXイベントにはなんとか間に合いそうだ。ほっと胸を撫で下ろす。
fujimura

2008年01月15日

段取りが命

13日、10:00RAJのメンバー事務所集合。フリーペーパーの編集で明け方4時に解散したばかりだが、今度はINAXイベントの詰めを行なわなければならない。フジイさんが用意してくれた会場平面、準備リストをもとに議論。ランチを経て解散。

14日、20:00RAJ再集合。イハツがイベント当日の進行表を書いてきてくれたので、それをもとに議論。当日はレクチャー(15分)と質疑応答(5分)を1クールとして、録音(20分)→文字起こし(30分)→データ集め(10分)→校正(5分)→入稿→レイアウト(20分)→チェック→印刷という作業フローを確認。当日はそれをシステマティックに10回繰り返していく。

5分刻みの時間を完全に守り、かつ流れにミスがなければ20:00過ぎに印刷作業を終え、フリーペーパーをライブで編集するというパフォーマンスを完成させることができる。遅れたら・・・考えるだけでぞっとする。レクチャラーにはくれぐれも時間を厳守するようにお願いしなければならない。スタッフだけでなく、モデレータや出演者も含めた全員のチームワークが問われる。

15日、今週よりK-PROJECTの建て方が本格化。銀座の現場も今月からスタートした。14:00エクスナレッジにて打ち合わせ。16:00INAX打ち合わせ。最後の詰め。19:00東工大にてKa編集会議。ようやく企画書完成。

この日、学会の『建築雑誌』が大学などで配達されたらしく、「載ってましたね」とリアクション多数。さすが35,000部のマスメディアだけはある。

ここでは建築都市系のフリーペーパーが誌面をジャックする企画「建築雑誌ジャック」を担当させて頂いている。初回取り上げたのは『ROUND ABOUT JOURNAL』。2ページをRAJのvol.4ということにして号外的に扱い、巻頭企画「建築雑誌は必要か?」に引っ掛けて「オルタナティブ・メディアは必要か?」と題して編集長の五十嵐太郎さんにインタビュー。

オルタナティブ・メディア『エディフィカーレ』の編集から『10+1』、FLAT、トンチクなどを経て建築雑誌の編集に関わっての抱負などを伺った。雑誌の中に、さりげなく他者性が織り込まれるような構成とした。

デザインは刈谷さんのアイディアで一見横組のデザインにさりげなく縦組を挿入するという、雑誌の形式性を逆手に取ったような仕掛け。「ジャック感」が上手く出るか心配だったが、今日のリアクションを見る限りはきちんと意図が伝わったようだ。この連載枠では2月号で名古屋の『FLAT』、3月号で芸大の『空間』を取り上げる予定。乞うご期待。
fujimura

2008年01月20日

文字を起こして、歴史を起こす

LIVE ROUND ABOUT JOURNALの初日が無事終了しました。1日のうちに10組の建築家にレクチャーをしてもらい、フリーペーパーを即日発行するという私たちのチャレンジは、なんとか達成することができました。

記憶が新鮮なうちに振り返っておきます。

9:00RAJのメンバーが会場であるINAX:GINZAに集合。INAX虫鹿さんを交えミーティング。全体の流れを確認。INAX:GINZAショールームアドバイザーの皆さんの朝礼にも顔を出しご挨拶。

10:00学生スタッフ続々到着。全体ミーティング。会場担当、文字起こし担当に分かれて詰め。文字起こしチームは12人。2つに分かれ、つかもと研の後輩KとK笹がリーダーとなって6人ずつのチームを組む。作業フローを確認して早速練習を開始。

12:00昼食。メンバー全員で机を囲んで食べる牛丼が異様に旨い。試合前の雰囲気。

13:00入場者が徐々に入り、席が埋まり始め、出足好調。バックスクリーンの前でスタッフ全員で撮影。準備作業は最後の詰め。

13:50挨拶していよいよ開始。会場は席がほぼ埋まってしまった。90人前後か。

14:00最初のセッションは大西麻貴+百田有希と伊庭野大輔+藤井亮介。大西+百田コンビは初レクチャーだというが、しっかりまとめてくれた。伊庭野+藤井も徹夜で何度も練習したというだけあって落ち着いたプレゼ。モデレータの南後君がそつなく話題を展開していく。

14:30スタッフから「中央アーキの皆さんが来ていません」と連絡が入る。出演者の携帯番号リストですぐ連絡するよう指示。その後10分前くらいに到着し、事なきを得る。

15:00次のセッションは武藤圭太郎と中央アーキ。武藤さんもレクチャーは初めてだというが、話し方があまりにも堂々としていて驚いた。今回のレクチャーにあたっては前田さんが直々にスライドをチェックして下さったらしい。

中央アーキは3人並んだときのオーラがあり、長く活動しているグループならでは。松本君のしゃべりはそつがないし、サカカヨの発言には力があるし、上領君のコメントには鋭さがある。『新スケープ』でサカカヨと対談したときに都市について議論できるイベントをつくりたいと話していたので、部分的にでも実現できて良かった。

レクチャーの間に編集ルームへ。作業は順調にスタートしている。見に来てくれた新建築の四方さんと橋本さんに「著者校正はするの?」と聞かれ、新聞と雑誌の違いに気づく。今まで意識したことはなかったが、新聞のインタビューというのは校正がない。そういう意味ではRAJは雑誌と新聞のあいだ(もしくは両方)をやろうとしている。

16:00次は長谷川豪と吉村英孝。塚本研の同級生と先輩ですと紹介してみる。作品は全く違うが、配置図から入るスタイルは塚本さんに似ていると思った。長谷川にはある種の演技力があるが、それをさらりと交わして「反復と反転」というキーワードを与える南後君。吉村さんは「動的シンボリズム」というキーワードを提示。一見「動的」にはみえない建築どうしを関係づける、面白い軸を与えたなと思った。

17:00松川昌平と田中浩也。この日のために何度も打ち合わせをしてきたというだけあって、抜群の連係。コンパクトなレクチャーに濃密なメッセージが籠る。「アルゴリズム」についての関心が高まっているせいもあって、ふたりの話に食い入るように聞き入っている観客たち。

18:00最後は永山祐子と中山英之。オーディエンスの熱気も最高潮。立ち見が会場を取り囲んでいる。永山さんは展覧会「届かない場所」に併せて、「届かない場所」というレクチャータイトルをつけてくれた。中山さんは「グレーについて」。新作の住宅が衝撃的。ふたりの主張に関連性が感じられ、聞いていてとても面白い。

19:10総括座談会開始。「主観をもとにして設計をするのはいいが、それを説明に使うのはどうか。」という長谷川の発言に反論が集中。中山さんがテーマを汲み取り、アルゴリズム論に繋げたり、いい盛り上がりを見せる。ここでも南後君がいいモデレーションを続ける。

20:30そろそろ配布予定の時刻を過ぎているが、各回とも4000字前後と想定していた文字数が6000字くらいで上がってしまい、編集に負荷がかかった結果この時点でようやく永山さんと中山さんの著者校正。配布が21時過ぎになりそうなので、議論の時間を延長するよう依頼。

21:00最初の1枚の原稿完成。INAXの方にコピーを依頼。

21:15司会者席に戻ると、議論もそろそろ収束モード。結果的に2時間じっくり議論できたおかげで、会場も含めてある種の一体感が生まれている。

最後、南後さんに総括コメントということで振って頂き、テーマ「愛と力の関係」について述べる。これまで活動するなかで見えてきた「表層と深層」という枠組みや、ブログと専門誌を繋ぐ、というフリーペーパーの位置づけについて話す。ネットで誰もが情報発信できるようになった時代において議論を生んでいくには「編集」という行為が重要だと考えていることなどを述べた。

「愛と力の関係」とは、「大きな物語」が失効した後の個人の価値観と社会の権力の関係であるととりあえずは言えると思う。全部のパートに参加できたわけではないが、総括座談会の討論も、概ねテーマに沿ったものであったと思う。個人的にはその構図に個人のなかで何をみて(入力)、何をつくるか(出力)という情報的なデザイン行為の捉え方も重ねられると思っているが、そのあたりは26日に話したい。

21:20討論を一旦終了。会場後方のスクリーンでは表紙のレイアウトが見える。もう少しで完成か。

21:25最後のコピーが完了し、A4判12ページのフリーペーパー完成。ずっと想像してきたものができたわけだが、成果物を見て「ここまでできるんだ」と思い、なんだか感動してしまった。レクチャーや討議のライブ感がテキストとレビュー、タイトル、写真によってパッケージされている。

編集スタッフ全員でオーディエンス1人1人に1枚ずつセレモニーっぽく渡していく。白黒コピーだが、表紙にシールを貼るという刈谷のアイディアにより、かっこよさが増した。シールが会場で配布されたオリジナル版であることの証明にもなり、よりコンセプチュアルになった。

当初の目的は予定を90分もオーバーしてしまい、INAX:GINZAの皆さんを始め、関係者の皆さんには迷惑をかけてしまったが、フリーペーパーを即日発行し、議論のライブ感をパッケージングするという当初の目的はなんとか達成させることができた。

21:30会場にて関係者で懇親会。興奮冷めやらぬ空気。最後は山崎さんがスピーチをして、(なぜか)長谷川豪が一本締めを仕切り、終了。個人的にはスタッフに加わってくれた学生たちの「思いがけず楽しかった」というアイロニー込みのコメントがとても嬉しかった。彼らには「文字を起こして、歴史を起こす!!」と言い続けてきたが、彼らにも何か手応えをつかんでもらえただろうか。

22:30近所で2次会。出演者全員とメディア関係者が参加。議論の続きが深夜まで続いた。

というわけで初日は無事に終了しましたが、26日には2回目が控えています。いろいろ不安要素を抱えていますが、1日目の反省点は改善してきちんと成功させたいと思います。

当日刊行されたフリーペーパー『ROUND ABOUT JOURNAL』vol.5(特集「愛と力の関係」)は26日まで、INAX:GINZAで配布しています。また19日に刊行したフリーペーパー『ROUND ABOUT JOURNAL』 vol.3(特集「都市ビューティ革命」)も、INAX:GINZAにて配布中です。

どちらも感想など頂ければ幸いです。よろしくお願いします。

fujimura

2008年01月23日

あえて閉じる

LRAJについて、いくつか反応を頂きました。

五十嵐太郎さんは「『エディフィカーレ』以降のもっとも重要なオルタナティブ・メディアの試みだと確信しました。僕らには想像できなかったかたちで、若手の核となるムーブメントが進行している。」と紹介して下さいました(>)。

松田達さんは「出演者も、敷地などの観察から建築をつくるヴィジュアル派(=表層/観察/感覚/目/「愛」)と、手順の設定から半ば自己生成的な方法論で建築をつくろうとするアルゴリズム派(=深層/観測/論理/身体/「力」)に二分可能。」と分析されています(>)。

その他、ブログなどでイベントについて書いて頂いた皆さん、どうもありがとうございます。19日の様子について、詳しくはメンバーの松島潤平の日記伊庭野大輔の日記でリポートされていますので、よかったらご覧になって下さい。

松島も書いていますが、LRAJは単なるレクチャーのシリーズというよりも、それらを編集することを見せるイベントである、ということは案外伝わりにくかったようです。私たちが狙うのはいろいろな主張を同一平面に並べることでストーリーをつくる=編集すること。そしてその編集プロセスを開放することにあります。その意味で後半の総括討論について様々な反応があることは悪くないなあと思います。

このイベントは、モデレータを社会学者の南後由和さんやドミニク・チェンさんにお願いし、異なる分野の視点を導入するなどの工夫をしつつも、基本的に建築界というサークルに「あえて閉じる」という戦略を採っています。広げるべき議論もないままに闇雲に「広げる」ことだけを模索するよりも、まず建築家の間でアクティブな議論の場を生成させることが、社会に対してメッセージを発信する前段階として、必要なプロセスだと考えるからです。その狙いについてはもっと伝えていくべきなのかも知れません。

まだ準備が残っていますが、26日の討論を今から楽しみにしています。19日のように盛り上げたいですね。

21日、10:00たまっていた仕事を片付けていく。いくつかの打ち合わせ。14:00源泉税の納入で会計事務所の担当者が来社。ついでに給与と経費の計算を済ませ、銀行へ。17:00INAX:GINZAへ。26日に向け、改善点などを話し合う。

18:30建築学会の文化事業委員会へ。10月下旬にAND(Archi-neering Design)展が開催されるので、それに合わせて建築文化週間で行なうイベントの計画など。その後齋藤会長も交え新年会。最後は工藤和美さん、五十嵐太郎さんと帰る。

22日、10:00打ち合わせ@虎ノ門。エレベータで建築家のYさんにバターリ。13:30移動し、K-PROJECT現場へ。先週より鉄骨建て方も本格化。900Hの大きな梁が入って躯体にますます迫力が出てきた。住宅地の中にとても暴力的なスケールの構造が入っている。その後現場定例。この日は問題もある程度片付いていたので冒頭だけ参加し、あとはスタッフに任せ移動。

15:00着工したばかりの(仮称)G-PROJECTの現場定例へ。この日が1回目。現場事務所が市場の上にあるので通うのが楽しくなりそう。K-PROJECTよりやや大きい500坪強の現場だが、関係者も多く、今まで経験した現場事務所の中で一番大きい。現場監督より工程説明、現場に移動して地縄の確認など。その後分科会。

18:00昨日に引き続いて建築学会の編集委員会。『建築雑誌』は1月号が無事刊行され流れがでてきた。2つの連載企画(「建築マンガ」「建築雑誌ジャック」)と6月号の第2特集を担当。終了後恒例の飲み会。LRAJの感想などを頂く。途中から山崎さんが合流。そのまま流れて2次会。五十嵐太郎さん、南泰裕さん、倉方俊輔さん、MDR齋藤さん、ぽむ桂さん、山崎さんというメンツでいろいろ話しているうちに朝。楽しかった。始発で帰宅。

23日10:00ゼミ@塚本研。終了後、製図室でg86メンバーと軽く打ち合わせ。別室では卒業設計が始まっている。後輩諸兄の構想を聞いて回る。象徴主義を批判し地域主義を唱えるというパターンは分かりやすいが、もうちょっと他のアプローチはないものか、などと思う。頑張れ東工大生。

ROUND ABOUT JOURNALvol.1-3は1月26日までINAX:GINZAの7階クリエイティブスペースにて展示+配布中です。vol.5(19日の成果物)も26日まで会場限定で配布していますので、26日に会場に来られない方でバックナンバーを入手されたい方、vol.5を手に入れたい方はINAX:GINZAへぜひいらして下さい。vol.5は会期中のみの配布ですし、展示期間中は編集ルームにも入れますよ。

fujimura

2008年01月28日

夜明け前に

LIVE ROUND ABOUT JOURNALの2日目がおかげさまで無事終了しました。

1日目は約220人、2日目は約240人の方に来て頂くことが出来、全体にいくつか反省点も残るものの、イベントとしては概ね成功させることができたと言えると思います。内容についても、1日目はオーディエンスからの質疑応答も含めて活発な議論が展開されたのに対し、2日目は途中に「批判的工学主義」のセッションを挟んだこともあり、比較的テーマに沿った、軸のある議論が展開されました。その意味で1日目で問題の枠組みを印象づけ、2日目に方向性を提示する、という私たちの狙いはほぼ実現できたように思います。

その狙いの背景には、日本の大人しいレクチャーのあり方を変えたいという思いがありました。このブログでは初期の頃、ヨーロッパ人建築家のレクチャーリポートを盛んにアップしていましたが、ヨーロッパやアメリカで行なわれているレクチャーがトピックを提示して、建築家同士の議論の場になっているのに対して、日本人建築家のそれは新作発表と裏話に終始する場合も多く、観客も建築家の話の内容を評価するというよりは、顔写真と経歴(大学や出身事務所など)ばかりに注目する、という状況がしばしばみられ、なんとかできないかと思っていました。

ここではそのような状況に対して新しいレクチャーのあり方としてセッション形式にして複数の建築家が同時にレクチャーする平面を整え、かつそれを横断して俯瞰するモデレータを他分野に方にお願いすることで文脈を提示し「内容を聞く」ものにしようとしました。必ずしも徹底できなかったのですが、各レクチャーにタイトルをつけてもらうようお願いしたのも、作品ではなくトピックやストーリーを提示してもらう、という意図があったからでした。名前だけを見て判断するのではなく、「議論の場」そのものに参加したいと思えるようなイベントに近づけたいという思いがありました。

いくつかのブログなどでの反応をみる限り、その試みは一定の成果を上げているように思えます。

各レクチャラーの皆さんは、15分という短い時間での発表にも関わらず、同世代が集うということもあり、とても気合いを入れて準備して下さいました。総括討論でも自作だけではなく、他の建築家の方々の主張に積極的に繋げるかたちで意見を述べて下さり(これは日本のレクチャーではなかなか見られない)、次第にある熱気が生まれていったように思います。「議論する」ということの熱さ、面白さを再認識させて下さいました。

また、南後由和さんとドミニク・チェンさんのモデレーションも素晴らしいものでした。南後さんは19日の議論で、「建築の可能性とは何か、答えを用意して下さい」と問いかけ、建築家の社会的役割の議論を提起して下さいました。ドミニクさんは26日の議論で、情報分野での議論を紹介しながら、「アーキテクチャー型権力」と建築の関係について、議論を開いていってくれました。建築プロパーではないけれども、このふたりなら絶対に面白い、と根拠なく確信しむちゃ振りしてしまいましたが、こちらの予想など遥かに越えて、素晴らしい議論を誘導してくれました。

そして学生スタッフの皆さんは、卒業設計前や設計課題の締め切り前の重要な時期にも関わらず、文字起こしや会場運営などのサポートをしてくれました。彼らのピンと張りつめた緊張感や統率の取れた姿が訪れた人に驚きを与えたことは間違いありません。

最後にスポンサーでもあるINAXマーケティング部とINAX:GINZAの皆さんには、告知や会場のセッティング、当日のサポートなど、何から何まで、本当にお世話になりました。2日とも予定時間を大幅に押してしまいご迷惑をお掛けしてしまったのですが、私たちの作業を暖かく見守って下さり、出来上がった原稿をコピーするため、駆け回って下さいました。

以上、このイベントを盛り上げて下さった全ての皆様にお礼を申し上げます。どうもありがとうございました。

当日の様子を軽く振り返っておきます。

8:50INAX集合。準備を始める。

9:50スタッフミーティング。その後学生が集まり全体ミーティング。前日に伊庭野(元アメフト部)がハッパを掛けた結果、ほぼ全員が遅刻なしで揃う。「試合前のロッカー室」みたいな雰囲気。

12:00お約束の牛丼ランチ。緊張する。

13:00スタッフ全員で写真撮影。客が入り始める。

13:50いよいよ2日目開始。トップバッターは釜萢誠司+針谷将史。あえてふたりばらばらに話す。針谷が「精度」について語り、釜萢が「制度」について語り、表層と深層の対比が浮かび上がっているのが面白い。続いてg86。途中スライドが固まったりしてヒヤヒヤしたが、彼らの勢いと行動力が伝えられれば、と思う。

15:00次は伊藤暁。「適当に付けた」などとポーズをとりつつ話す「自律する建築」というテーマを、ドミニクがインターネットの議論にうまく繋げてくれた。続いて柄沢祐輔は「風景に論理を導入する」と題し、アルゴリズムを用いた設計論をプロダクトからインフラまでスケールを横断して紹介。

16:00自分の番である。Apple Storeでも話した設計プロセス論「『流れ』を設計する」を発表。平田晃久さんは「Animated Topolography(動的な空間的地形?)と愛の力」と題し、幾何学と行為の緊張関係を語る。トップダウン的に形式を与えようとする平田さんに対し、徹底的にボトムアップ的に形式を成長させていく僕のやり方を対比的に示すことで、「形式と生活」という議論の軸が浮かび上がる。

17:00引き続き「批判的工学主義」について。あえてこの位置に挿入したのは、議論の流れを意識してのこと。柄沢君、南後君と3人でスイッチしながら話す。倉方俊輔さんにマイクを振ったところ、「情報分野での『アーキテクチャー型権力』と実空間のそれは違うのではないか」と指摘されるも、まさにそこが議論のミソ。スーパーマーケットの分節を情報空間的に「あえて誤読する」という戦略を説明することができた。さすが鋭い。

18:00最後のセッションは中村拓志さん。女の子が無邪気に鳥に餌をやったり、編み物をする「Dancing Tree, Sinnginng Bards」の写真をバックに、淡々と環境問題を語る。まさに「愛と力」!!インタビューのときにも感じたが、その場の空気を読んで、ささっとこちらの枠組みに乗ってくれる感じが素晴らしい。

そして吉村靖孝さん。「動物と建築」と題して始まったレクチャーのスタートは「せんだいメディアテーク」2等案!!先ほどの情報空間論と完璧にシンクロして興奮。1995年のこのコンペこそが、批判的工学主義の文脈に照らしても歴史的事件だったのだと再認識。レクチャーでは阿見町の「平和資料館」のような空間的な主題(表層)を展開するプロジェクトと、「ソレイユ・プロジェクト」のようなシステム的な主題(深層)を展開するプロジェクトが並走しているところが面白いと感じた。

19:10最後の総括討議。マイクを回しつつ話す。特定の人物に質問が集中するというよりは、「批判的工学主義」というトピックを中心に議論が進む。冒頭で吉村さんが「方法論が違えども、全部同じに見えるんじゃないか」「自然をメタファーにすると建築はいらなくなってしまうんじゃないか」と心配そうに(?)問題提起。確かに1990年代は建築家不要論がもっとも強かった時期だったが、今こそそれを覆す必要がある。

佐藤敏宏さんからは「建築家の倫理をどう考えるか」と重い質問が飛ぶ。倫理の依って立つ命題の見えない時代の建築家の倫理についてこそ、私たちは考える必要がある。松川昌平さんは「建築の寿命に比べて社会的なプログラムの寿命はあまりにも短い。社会的なプログラムを根拠に建築を構想するのは危険じゃないか。」と問題提起。19日組と26日組で多少温度差があるとすれば、26日組は社会的プログラムを引き受ける、という姿勢を明快にしているという点だろうか。その違いがはっきりしたとすれば、それはむしろよいことだ。立場の違いを見出したあとで、意見交換していければいいと思う。

21:30様々な議論が提起されたが、ここで一旦総括討議終了。編集作業は押しに押してしまい、フリーペーパーを発刊できたのは結局22:00少し前。前回の反省を活かしたはずが、逆に時間がかかってしまった。議論に出てくる固有名が難しく、起こしに時間がかかってしまったらしい。待って下さったオーディエンスの皆さんには感謝しなければならない。メンバー全員で1冊1冊にシールを貼りつつ、丁寧に渡す。

22:10懇親会スタート。最後のスピーチでINAXの虫鹿さんが「ミーティングで『革命を起こす』と言っているのを聞いて最初は引いていたけれど、終わってみて本当にそうかも知れないと思えた」とおっしゃって下さり感動した。ずっと暖かく見守って下さったINAXの皆様には心から感謝したい。

22:40撤収を完了して、2次会に流れる。ここで学生諸兄と別れる。学生の1人に「楽しかったです」と言われ、再び感動。今まで手伝いをお願いして文句を言われたことはなかったが、「楽しかったです」とストレートに言葉にして言われると嬉しい。彼らが今回のイベントに参加したことで何を感じたか、じっくり話を聞きたいところだが、それは後日のお楽しみということにしておこう。

3:30「アルゴリズム」「愛と力」「モテvsヲタ」を軸に2次会も程よく盛り上がったが、閉店となり店を出る。3次会の店へ向かって、みんなで銀座の街を歩く。なんという爽快さ。

歩きながらふと考える。このようなかたちでイベントを開催できたのも、ブログだったり、勉強会だったり、展覧会だったり、些細なきっかけと出会いのおかげだということ。TEAM ROUND ABOUTにしても、仕事帰りに夜中にファミレスで議論していた連中がいつの間にか力をつけ、世に問いかけるような活動を仕掛けるほどに成長してきている。メンバーの高いモチベーションによって、ほどよい緊張感が維持されてきたことは喜ばしいことだが、こういう楽しさをいつまで続けることが出来るのか、先のことを考えると逆に身が引き締まる思いだ・・・。

6:00まったりと3次会も終了し、散会。夜が明ける。新しい時代の幕明け・・・を勝手に予感しつつ皆と別れ、地下鉄に乗る。

・・・というわけで長くなりましたが、イベントやフリーペーパーの感想など頂ければ幸いです。今後ともROUND ABOUT JOURNALの活動をよろしくお願いします。
fujimura

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