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文字を起こして、歴史を起こす

LIVE ROUND ABOUT JOURNALの初日が無事終了しました。1日のうちに10組の建築家にレクチャーをしてもらい、フリーペーパーを即日発行するという私たちのチャレンジは、なんとか達成することができました。

記憶が新鮮なうちに振り返っておきます。

9:00RAJのメンバーが会場であるINAX:GINZAに集合。INAX虫鹿さんを交えミーティング。全体の流れを確認。INAX:GINZAショールームアドバイザーの皆さんの朝礼にも顔を出しご挨拶。

10:00学生スタッフ続々到着。全体ミーティング。会場担当、文字起こし担当に分かれて詰め。文字起こしチームは12人。2つに分かれ、つかもと研の後輩KとK笹がリーダーとなって6人ずつのチームを組む。作業フローを確認して早速練習を開始。

12:00昼食。メンバー全員で机を囲んで食べる牛丼が異様に旨い。試合前の雰囲気。

13:00入場者が徐々に入り、席が埋まり始め、出足好調。バックスクリーンの前でスタッフ全員で撮影。準備作業は最後の詰め。

13:50挨拶していよいよ開始。会場は席がほぼ埋まってしまった。90人前後か。

14:00最初のセッションは大西麻貴+百田有希と伊庭野大輔+藤井亮介。大西+百田コンビは初レクチャーだというが、しっかりまとめてくれた。伊庭野+藤井も徹夜で何度も練習したというだけあって落ち着いたプレゼ。モデレータの南後君がそつなく話題を展開していく。

14:30スタッフから「中央アーキの皆さんが来ていません」と連絡が入る。出演者の携帯番号リストですぐ連絡するよう指示。その後10分前くらいに到着し、事なきを得る。

15:00次のセッションは武藤圭太郎と中央アーキ。武藤さんもレクチャーは初めてだというが、話し方があまりにも堂々としていて驚いた。今回のレクチャーにあたっては前田さんが直々にスライドをチェックして下さったらしい。

中央アーキは3人並んだときのオーラがあり、長く活動しているグループならでは。松本君のしゃべりはそつがないし、サカカヨの発言には力があるし、上領君のコメントには鋭さがある。『新スケープ』でサカカヨと対談したときに都市について議論できるイベントをつくりたいと話していたので、部分的にでも実現できて良かった。

レクチャーの間に編集ルームへ。作業は順調にスタートしている。見に来てくれた新建築の四方さんと橋本さんに「著者校正はするの?」と聞かれ、新聞と雑誌の違いに気づく。今まで意識したことはなかったが、新聞のインタビューというのは校正がない。そういう意味ではRAJは雑誌と新聞のあいだ(もしくは両方)をやろうとしている。

16:00次は長谷川豪と吉村英孝。塚本研の同級生と先輩ですと紹介してみる。作品は全く違うが、配置図から入るスタイルは塚本さんに似ていると思った。長谷川にはある種の演技力があるが、それをさらりと交わして「反復と反転」というキーワードを与える南後君。吉村さんは「動的シンボリズム」というキーワードを提示。一見「動的」にはみえない建築どうしを関係づける、面白い軸を与えたなと思った。

17:00松川昌平と田中浩也。この日のために何度も打ち合わせをしてきたというだけあって、抜群の連係。コンパクトなレクチャーに濃密なメッセージが籠る。「アルゴリズム」についての関心が高まっているせいもあって、ふたりの話に食い入るように聞き入っている観客たち。

18:00最後は永山祐子と中山英之。オーディエンスの熱気も最高潮。立ち見が会場を取り囲んでいる。永山さんは展覧会「届かない場所」に併せて、「届かない場所」というレクチャータイトルをつけてくれた。中山さんは「グレーについて」。新作の住宅が衝撃的。ふたりの主張に関連性が感じられ、聞いていてとても面白い。

19:10総括座談会開始。「主観をもとにして設計をするのはいいが、それを説明に使うのはどうか。」という長谷川の発言に反論が集中。中山さんがテーマを汲み取り、アルゴリズム論に繋げたり、いい盛り上がりを見せる。ここでも南後君がいいモデレーションを続ける。

20:30そろそろ配布予定の時刻を過ぎているが、各回とも4000字前後と想定していた文字数が6000字くらいで上がってしまい、編集に負荷がかかった結果この時点でようやく永山さんと中山さんの著者校正。配布が21時過ぎになりそうなので、議論の時間を延長するよう依頼。

21:00最初の1枚の原稿完成。INAXの方にコピーを依頼。

21:15司会者席に戻ると、議論もそろそろ収束モード。結果的に2時間じっくり議論できたおかげで、会場も含めてある種の一体感が生まれている。

最後、南後さんに総括コメントということで振って頂き、テーマ「愛と力の関係」について述べる。これまで活動するなかで見えてきた「表層と深層」という枠組みや、ブログと専門誌を繋ぐ、というフリーペーパーの位置づけについて話す。ネットで誰もが情報発信できるようになった時代において議論を生んでいくには「編集」という行為が重要だと考えていることなどを述べた。

「愛と力の関係」とは、「大きな物語」が失効した後の個人の価値観と社会の権力の関係であるととりあえずは言えると思う。全部のパートに参加できたわけではないが、総括座談会の討論も、概ねテーマに沿ったものであったと思う。個人的にはその構図に個人のなかで何をみて(入力)、何をつくるか(出力)という情報的なデザイン行為の捉え方も重ねられると思っているが、そのあたりは26日に話したい。

21:20討論を一旦終了。会場後方のスクリーンでは表紙のレイアウトが見える。もう少しで完成か。

21:25最後のコピーが完了し、A4判12ページのフリーペーパー完成。ずっと想像してきたものができたわけだが、成果物を見て「ここまでできるんだ」と思い、なんだか感動してしまった。レクチャーや討議のライブ感がテキストとレビュー、タイトル、写真によってパッケージされている。

編集スタッフ全員でオーディエンス1人1人に1枚ずつセレモニーっぽく渡していく。白黒コピーだが、表紙にシールを貼るという刈谷のアイディアにより、かっこよさが増した。シールが会場で配布されたオリジナル版であることの証明にもなり、よりコンセプチュアルになった。

当初の目的は予定を90分もオーバーしてしまい、INAX:GINZAの皆さんを始め、関係者の皆さんには迷惑をかけてしまったが、フリーペーパーを即日発行し、議論のライブ感をパッケージングするという当初の目的はなんとか達成させることができた。

21:30会場にて関係者で懇親会。興奮冷めやらぬ空気。最後は山崎さんがスピーチをして、(なぜか)長谷川豪が一本締めを仕切り、終了。個人的にはスタッフに加わってくれた学生たちの「思いがけず楽しかった」というアイロニー込みのコメントがとても嬉しかった。彼らには「文字を起こして、歴史を起こす!!」と言い続けてきたが、彼らにも何か手応えをつかんでもらえただろうか。

22:30近所で2次会。出演者全員とメディア関係者が参加。議論の続きが深夜まで続いた。

というわけで初日は無事に終了しましたが、26日には2回目が控えています。いろいろ不安要素を抱えていますが、1日目の反省点は改善してきちんと成功させたいと思います。

当日刊行されたフリーペーパー『ROUND ABOUT JOURNAL』vol.5(特集「愛と力の関係」)は26日まで、INAX:GINZAで配布しています。また19日に刊行したフリーペーパー『ROUND ABOUT JOURNAL』 vol.3(特集「都市ビューティ革命」)も、INAX:GINZAにて配布中です。

どちらも感想など頂ければ幸いです。よろしくお願いします。

fujimura

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2008年01月20日 12:41に投稿されたエントリーのページです。

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