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どこに届き、いかに響いているのか

2月末日をもって、RAJの配布を完了しました。藤村事務所にストックされていた在庫もきれいさっぱりなくなりました。増刷はしませんので今後はお問い合わせ頂いてもお渡しできませんが、あしからずご了承を。

おかげさまで最終的に札幌から鹿児島まで、列島を横断するように配ることができました。ご協力頂いた皆様、どうもありがとうございました。感想をお送り頂ければ幸いです。

今回の「配布協力者募集」という新たな試みを通じて、私たちの発信する情報がどこに届き、いかに響いているのか、よく理解できた。基本的に東京近郊などの都市部からはほとんど問い合わせがなく、熱心だったのは地方在住の学生や若手建築家たち。都市部の学生はレクチャーやオープンデスク等で生の情報がほどほどに集まるから、オルタナティブ・メディアの動向などいちいち注意していないのかも知れない。それに対し、地方の学生や若手建築家たちはネット発の情報に敏感だ。議論の新しいイメージを提出したいと考えている僕たちからすれば、こうした情報のギャップをひっくり返し、意欲の高い読者と直接繋がることの方がはるかに効率的だといえる。

18日、18:00編集委員会@建築学会。担当の連載企画「建築マンガ」に対して五十嵐賞を頂く。

19日、『ヴィヴィッド・テクノロジー』の出版記念トークショーへ。これだけの構造家が一同に会しているという企画は新鮮。その後の懇親会では、あまりお話したことがなかった小西さんや満田さんともじっくり話せて楽しかった。

23日、卒業設計発表会@東工大。投票で淡々と賞が決まっていく。あれよあれよという間に金賞が確定。長く続いた祭りも、終わりは実にあっけない。一度順序が決まると、そういうものだったのかも知れないと思えてしまうが、評価は自分で作るもの。勝っておごらず負けて腐らず。たかが卒業設計ではないか。

同日、「トウキョウ・コレクション」の事前審査で早稲田大学へ。八束はじめさん、太田浩史さん、馬場正尊さん、青井哲人さんらと一緒に、修士論文の梗概の束を渡され、選考を行う。

普段見慣れているとはいえ、初見の論文の内容を見定めるのは楽ではない。レベルも様々で、精緻なものもあればいい加減なものもあり、絵日記か!と言いたくなるようなものも多い。

それでも不思議なもので、ざっと眺めているうちに自分なりの評価基準ができてくる。「A:位置づけと方向性があるもの」「B:分類しただけのもの」「C:手法レベルで論をなしていないもの」という具合に3段階評価をしてみると、おおよそ1/3ずつに分かれた。ここで選ばれた論文は、6日にヒルサイド・フォーラムで公開審査が行われる予定。

24日、都立現代美術館で川俣展。吹き抜けでカフェ・トークを聞く。社会の中における美術の役割、という話が出て、「現代美術で社会を変えられるとは思わない。トリートメントみたいに、使ったらつやがよくなったとか、そういうもの」という川俣さんの発言が興味深い。展示をじっくり見て、最後にビールを飲んでいると、オランダの美術館の雰囲気を思い出す。

28日、都市再生機構の武田重昭さんらによる勉強会「都市再考会議」で山崎さんとレクチャー。ふたりで何か話すというのは初めて。メディアのあり方について議論。

武田さんは造園の出身で、造園の人とだけ議論することに閉塞感を感じるという。僕は建築家と建築の話ばかりすることに閉塞感を感じたことはない。話題を絞ることはむしろ議論に軸をつくるので、むしろ開放感が感じられる。RAJではシュウ・ウエムラさんにインタビューを行い、建築や都市について議論したが、これは例えば青木淳さんに映画の話をしてもらうのとは似て非なる話だ。

3月1日、MUSEUM OF TRAVELのイベント出演。社会学者の田中大介さん、新雅史さん、建築家の吉村英孝さんと「コンビニ」をテーマに議論するという企画。南後君のコーディネートで、いつもは建築の議論に南後君を引っ張り込むかたちだったが、今回は少しアウェイな感じ。

初対面同士、かつお互いがどのような研究をしているのかもよくわからず話が噛み合うか心配していたが、さすがに議論慣れしている人たちだけあって白熱。田中さんは若林幹夫さんの、新さんは上野千鶴子さんのゼミの出身だけあって、田中さんはアジアや都市の枠組みでやや抽象的に、新さんは家族や資本の枠組みでやや具体的に展開。最後に質問コーナーがあり、たくさん質問を頂く。

「コンビニ=均質」というステレオタイプな理解に社会学的な分節を試みる田中さんも、「実家がコンビニを経営している」というバックグラウンドから実感を込めてコンビニの変容を示唆する新さんも、ともに迫力があり、刺激的だった。呼んでくれた南後君と、イベントを主催している井上さんらに感謝したい。

アイディア・コンペや卒業設計も大事だが、建築の将来を考えるなら、こういう議論にこそもっと人を集められるようにしないといけない。新しい議論のイメージをつくりたい。
fujimura

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2008年02月29日 16:50に投稿されたエントリーのページです。

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