新潟郊外をフィールドワーク
28日、10:30チーム110第1回合宿を解散。温泉にも入らず、アルコールもほとんどなしでノンストップ議論。心地よい疲労感が残る。これから1年間、継続的、定期的に議論を続けて行くことを確認する。
17:00東京に戻り、明治学院大学へ。文学部の長谷川一准教授にインタビュー。機械と身体の縫合域という連載でスーパーマーケットやターミナル駅の内部空間について議論を展開されている。
31日、9:00東京駅で南後君、柄沢君と待ち合わせ。上越新幹線で新潟へ。新潟駅で岩佐明彦先生と岩佐研の小出君と待ち合わせ、新潟市周辺における郊外型ショッピングセンターと、信濃川沿いのタワーマンションをめぐる工学主義建築のフィールドワークへ。
最初は新潟亀田IC周辺の大型店舗を回る。アークプラザ新潟+スーパーセンタームサシ新潟店(2002)。運営はアークランドサカモト(本社:新潟県三条市)。スペースフレームの庇がかっこいい。次にイオン新潟南ショッピングセンター+ジャスコ新潟南店(2007)。運営はイオン(本社:千葉市)。売り場面積69,079sqmで新潟県最大。2007年11月の都市計画法改正により、最後の大型開発となるらしい。さらに近所にあるアピタ新潟亀田店(2000)へ。運営はイオン(本社:愛知県稲沢市)。資料集成にも掲載されているという大型店舗だが、昨年のイオンの出店により競争を強いられているという。
イオンとアピタの間には建築的にクリアな差があるのが面白かった。
アピタ:直線、蛍光灯、直接照明、Pタイル、計画学的、工場的
イオン:曲線、ダウンライト、間接照明、タイルカーペット、インテリア的、住宅的
アピタとイオンの差は機能主義と工学主義の差異を考察する上で示唆的だ。逆に言えば、アピタがイオンに逆襲を仕掛けるには、工学主義に基づく建築学的知見が使える、と感じた。
今回の発見は「ロードサイドショップ」と一言で言っても、建築的にはどんどん世代交代が進んでいるということ。イオン系のショップが成功しているのは建築的仕掛けも重要な役割を果たしていると言えそうだ。2007年11月の法改正以降郊外型店舗の出店が抑制されている現状では、旧世代型の大型店舗は新世代型へ建築的なリニューアルを進める必要に迫られるだろう。
その後、新潟空港近くの河渡地区にある小型のロードサイドショップが駐車場の周囲を取り囲む、ヴィレッジ型の事例を見学。貯木場跡を埋め立てた土地だという。
このような点在型を第1世代(河渡地区)、機能主義的複合型(アピタ新潟亀田店)を第2世代、工学主義的複合型(イオン新潟南SC)を第3世代、というように、とりあえずは分類できるような気がした。
さらに、朱鷺メッセの展望台で新潟市内を見下ろしたあと、万代橋周辺の高層マンション群へ立寄り、ショールーム等を見学。信濃川沿いに高層マンションは絶対高さ50mの規制があるため、敷地の間口一杯に板状に横に広がる傾向にあるのだという。建築規制のあり方と、それによって誘導される都市景観の関係について、考えさせられる事例である。
その後、ベルラーへ時代の同級生の東海林君らが主宰するアトリエsikiへ。新潟大学のOBで新潟をベースに活動している。川沿いの工場にあるアトリエは、かつてマース川沿いにあったMVRDVの旧オフィスを思い起こさせる。新潟や青森でプロジェクトが進行中とのこと。
sikiの一角をお借りして岩佐先生へインタビュー。フィールドワークで発見したこと、岩佐先生の研究や問題意識、計画学との関係、これから展開の方向性など議論。
古町の一角で飲んで帰京。議論が盛り上がり、結局終電になってしまった。明治学院大長谷川先生、新潟大岩佐先生へインタビューの内容は『建築雑誌』6月号の第2特集「批判的工学主義」特集に掲載予定。
1日、年度初め。この日から2人入社し、スタッフは6人に。1人は新潟大院(岩佐研)修了。もう1人は東大(千葉研)卒業。今後は徐々に新卒採用を進めて行こうと思っている。軽くオリエンテーション。オープンデスクも3人来ているので、事務所が手狭になってきた。
11:00書籍企画打ち合わせ@エクスナレッジ。予算計画、スケジュール等諸々固まる。RAJの流れを汲む本格インタビュー集。11月発売に向け、本格的に作業を開始する。
14:00JA編集部斉藤さん来社。企画打ち合わせ。昨年来展開させてきた議論をまとめるいい機会になりそうだ。英訳が予定されているのも嬉しい。打ち合わせ後、K-PROJECT現場へご案内。内装が急ピッチで進み、内部空間の輪郭がはっきりわかるようになってきた。低めに大きく開いた窓がかわいいのでは。
fujimura