15日、13:00山崎亮さん来社。つい先日会ったばかりなのにもうこのタイミングで訪ねて来て下さるこのフットワーク。事務所を見て頂き、軽くBUILDING Kの内部をご案内。先日の議論でご一緒して以来、根本的な問題意識が共通していると感じる。博士課程に在籍しているところなど共通点もある。いくらでも話ができそうな感じがする。
16:00INAX:GINZA。虫鹿さん、小熊さん、辻館長にご挨拶。「風景の解像力」展がうまく行ったので、またやりましょう、と言って下さる。ありがたい。
帰りに石上純也の個展「小さな本のための小さな展覧会」を見る。「風景の解像力」展でも予告されていた通り、ベニス・ビエンナーレに併せて編集されているという『plants & architecture』のページを展示。シンポジウムでは「植物は周辺環境の象徴」と話していたが、都市的なスケールに自作を位置づける試みは少し意外。展示空間は90年代にセゾン美術館で開かれた「迷宮都市」展の妹島和世さんのコーナーを思い出す。
17:00大野博史さんインタビュー@オーノJAPAN。建築家とのコラボレーションの話になって、我々はいつもパラメーターを整理して諸条件を調整していくが、そのようなパラメトリック・スタディはどちらかというと構造家の思考だということを指摘されて驚いた。BUILDING Kはパラメーターのはっきりした建物だが、それはスタディの仕方がはっきり影響している。他の建築家はスケールとかプロポーションとか空間のイメージを提示するのだと言う。なるほど、そうかも知れない。
大いに納得し、「だから話が合うんですね!?」と実感を込めて同意を求めると「いや、構造としてはやりにくいです」と距離を取られる。
20:00中村竜治さんインタビュー@中村事務所。卒業設計の講評会とか、シンポジウムとかではご一緒することはあるが、この日は改めてじっくり話を伺うことができた。「かたち」の意味するところ、特に形式について、「美しいもの、繊細なものには人は何か感じるはずだ」という信念。「short cut」のある流山のコンテクストをどうか考えるか、みたいな少し意外な話もできた。
17日、10:30打ち合わせ@山本理顕設計工場。万国橋に移転してからは初訪問である。西田司さんとともにあるプロジェクトに携わることになった。山本さんに「西田さんと僕は同じ1976年生まれです」と言ったら「だからふたりを呼んだんだよ」と言われる。そういうコンセプトだったらしい。
以前から、高齢化と地域社会など、ミクロレベルで社会を論じる山本さんと中国でグローバルキャピタリズムに則ってマクロレベルで設計を実践している山本さんの関係に興味があった。話していると、前者の側面を西田さんが、後者の側面を僕がそれぞれ分担しているような気もしてくる。どちらも社会的なリアリティの問題であるが、建築家同士で十分な議論が尽くされているとは言い難い。
西田さんの事務所を拝見し、近所で昼食を挟みつつ軽くブレスト。途中Y-GSAの前を通ったが、心地よい距離感でいろいろな事務所や学校が集まっている馬車道駅周辺の環境はなんとなくロッテルダムのそれを思い出させる。OMAやベルラーへやMVRDVが至近距離にあり、互いに行き来しているあの感じである。
その後品川に移動して麹町の定例をこなして事務所に戻ると、程なくして大野さん来社。BUILDING Kをご案内。いろいろお話ししているとすぐに時間となり、移動。
20:00倉方俊輔さんインタビュー@王子。作家論に取り組んだきっかけと意義、歴史と批評の境界、実証と創作の境界、世代に対する認識などじっくり伺うことができた。熱い文章のタッチとは裏腹に、とてもクールに物事を見ている感じが意外。倉方さんのスタンスについて、理解を深めることができた。
19日、講評会のゲスト・クリティークに呼んで頂き、京都精華大へ。朝早くの新幹線に飛び乗り、地下鉄とタクシーで駆けつける。道中で商店建築のエッセイのオチと新建築8月号のキャプションを考えながら、宿題になっている乾久美子さんのテキストを読む。あれこれ考えを巡らせているうちにキャンパスに到着する。11:00新井先生ほかとご挨拶。学生の作品を眺め、投票し、学生とランチに出て、13:00講評開始。
新井清一さんのスタジオは「パラレル・アクティビティ」をテーマにしており、建築的思考を外部の領域へ拡張。パフォーマンス的な作品もあり、少々面食らうが、服部滋樹さんのスタジオのように比較的オーソドックスな建築的スタディをしているスタジオもあり、次第にコメントしやすくなっていった。鈴木隆之さんのスタジオはネットワーク・アーキテクチャーが主題。環境から情報を抽出する試み。
先週の神戸芸工大でのシンポジウムもそうだったが、一見バラバラな議論をしている、その多様性自体は価値のあることだ。しかし、それらを何らかのかたちで位置づけ、議論を束ねていくと、その場に思いがけないパワーが出てくることがある。少々力不足ではあったが、議論の場に呼んで頂いたからには、そのようなパワーを引き出すようなコメントを心がけたい。声を掛けてくれた学生の皆さん、お世話になった先生方に感謝します。
終了後、四条に事務所を構えるGENETOの山中コ〜ジ君と会い、近況を聞く。出町柳の三角州で京都精華大の学生、鈴木先生と打ち上げ。最終の新幹線で帰京。
fujimura