東北大の脇坂圭一さんが、先日のハウスレクチャーのレビューを書いて下さいました。
共有化され量産化される議論でオルタナティブを切り開く藤村龍至
五十嵐太郎さんらの『エディフィカーレ』と比較して、『ROUND ABOUT JOURNAL』は建築と社会を架橋する議論を行うことで成立する「双方向性」、イベントでフリーペーパーを即時発効し、受け取った来場者が発信者となる「多産型」のベクトルを持っていると指摘されています。
ハウスレクチャーの前に、『ROUND ABOUT JOURNAL』について、五十嵐太郎さんにインタビューして頂きました。
藤村龍至インタビュー――ラウンド・アバウト・ジャーナルについて
下記の討論でも言及があります。
その2「ネットとフリーペーパーの衝撃」(基調報告2―平塚桂「ぽむ企画のウェブから建築ガールズ特集へ」
コルビュジエやコールハースのように建築家が自作のメディアで自らの理論を発表する例はたくさんあるが、「ROUND ABOUT JOURNAL」以前と以後を分つのはネット環境の有無であろう。雑誌が続々と休刊している時代において、これからの建築家はネット時代にふさわしいメディア戦略とは何か、考える必要に迫られているのだろう。
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1日、朝6:30後輩Kと久しぶりに走る。K宅から多摩川まで軽く往復。気持ちよい。
18:00編集委員会@建築学会。最近出産した委員の田島喜美恵さんが先日の「ポスドク問題」に続いて「お産空間」という企画を出してきたが、個人的な体験に根ざしていて面白い。僕は「設計プロセスを考える」という企画を出したところ、倉方俊輔さんに「1年前でも同じ企画を出してきたのではないか」と批判(?)される。もう少し練り直そう。
終了後の飲み会で、最近BUILDING Kのネタが盛り上がるのはなぜか、という話になる。ネットで固有名を挙げて論じているのは氷山の一角で、飲み会などの席で賛否両論、というかほとんどムキになって否定している人たちがたくさんいるのだという。五十嵐さんはBUILDING Kネタで盛り上がっているある飲み会の様子を見て「これで番組が作れる」と感じたそうだ。
話題にして頂くのはありがたい限りだが、そこまで論争的になってしまうのはなぜだろうと話す。その結果、例えば、石上純也さんはすごいと思うけれどやっていることが特殊すぎて批判の対象にならず、長谷川豪さんは創作のフィールドが住宅という伝統的なカテゴリーに収まっているので論争を呼びにくいのに対し、BUILDING Kは「メガストラクチャー」というコンセプトも、「超線形設計プロセス論」という設計論も、「批判的工学主義」という理論も、看過不可能で論争を誘発するレンジを見事についてしまっているのかも知れないという話になる。
しかしまあ、どれも狙ってやっていることではなく、興味があることを追求していったらたまたまそうなっただけだが、「天然論争誘発キャラ」というのもなかなか避けたいところである。
2日、16:00学会の学生ワークショップArchiTVのスタッフ3名が来社。出演依頼を受けている企画の説明を受ける。10/5(日)の10:00-12:00の「建築と、建築」で審査員をする予定。
学生たちと議論するのは楽しい。学生の1人に「藤村さんは難しいことを言っていると思っていたけど、今日ここ(BUILDING K)に来て考えが変わりました」と言われる。
3日、14:00塚本研ゼミ。
4日、7:00集合でアトリエワンの新作「ポニーガーデン」の現場へ。つかもと師は飲み会の席などでも「角を押さえる」と良く言っていたが、本当に敷地の角を押さえているのが面白い。内部は複雑な構成をシンプルなディテールで納めている。見学後、草取り。久しぶりに雑草を抜く。生物の多様性を目の当たりにする。
16:00のmash comix軍司さんと打ち合わせ。その後事務所に戻り、倉方俊輔さんを迎える。程なくして久米設計の芝田さん、宇川さん、竹中工務店の関谷さん、中盾さんら来社。10月の建築夜楽校の事前打ち合わせ。終了後、BUILDING Kをご案内。
てっきり厳しく批判されるかと思いきや、意外にもポジティブな反応。「姿勢がはっきりしている」との感想を頂く。コンセプトにうるさそうなアトリエ派の人々がディテールを中心に反応し、ディテールにうるさそうな組織・ゼネコン系の人の方がコンセプトに反応してくれるというのは意外ではあるが案外そういうものかも知れない。倉方さんは「作風を理解した」と言って下さったが、JAシンポジウムの前にお見せしておけば良かったか。
議論が拓く世界──「LIVE ROUND ABOUT JOURNAL」評釈(前篇)
議論が拓く世界──「LIVE ROUND ABOUT JOURNAL」評釈(後篇)
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最後に告知を。10月2日と9日に建築会館でシンポジウムを行います。アトリエ系、組織系、ゼネコン系の建築家、研究者がそれぞれの立場から現代社会の状況における建築の可能性を議論する予定です。
(以下告知)
建築夜楽校2008
テーマ:グローバル社会における「建築的思考」の可能性
主 旨:
商業施設のインテリアでは、什器や商品のレイアウトによって購買客の動線や視線をコントロールし、そっと売り上げを伸ばす工夫がなされている。また、マンションの計画においては、法規や慣習、経済性、物理的条件等、複雑な制約条件のなかで最大限の専有面積を確保する工夫がなされている。このように、社会基盤の整備が進んだ1970年代以降、商業的な効率を最大化するために建築が半自動的に設計され、1990年代以降のグローバル資本主義の台頭によってより一層のスピードが要求される状況が生まれている。
そこで本企画では、このような市場化と技術依存が進んだ「工学主義」的状況で生まれた郊外型の商業施設やタワーマンション等、従来の建築デザイン論にとって周縁であった領域で生まれつつある建築を取り上げ、パネルディスカッション形式で議論することを通じて、グローバル化する社会における建築の新たな可能性を描くことを目的とする。
第1夜:「タワーマンション」とグローバル・シティ
日 時:10月2日(木)18:00~20:30(開場17:30)
パネリスト:
迫慶一郎(建築家・SAKO建築設計工社主宰)
大山 顕(サイト『住宅都市整理公団』主宰)
山梨知彦(建築家・日建設計設計室長)
北 典夫(建築家・KAJIMA DESIGNプリンシパル・アーキテクト)
モデレータ:南後由和(社会学者・東京大学大学院情報学環助教)
藤村龍至(建築家・藤村龍至建築設計事務所代表・建築文化事業委員)
コメンテーター:東浩紀(哲学者・東京工業大学特任教授)
第2夜:「ショッピングモール」とローカル・シティ
日 時:10月9日(木)18:00-20:30(開場 17:30)
パネリスト:
中村竜治(建築家・中村竜治建築設計事務所主宰)
岩佐明彦(建築計画学者・新潟大学准教授)
芝田義治(建築家・久米設計設計本部建築設計部主査)
関谷和則(建築家・竹中工務店東京本店設計部設計主任)
モデレータ:南後由和(社会学者・東京大学大学院情報学環助教)
藤村龍至(建築家・藤村龍至建築設計事務所代表・建築文化事業委員)
コメンテーター:若林幹夫(社会学者・早稲田大学教授)
会 場:建築会館ホール(東京都港区芝5-26-20)
定 員:300名(当日先着順)
参加費:無料
問合せ:日本建築学会事務局出版・普及事業グループ 鎌田
TEL 03-3456-2056 E-mail kamata@aij.or.jp
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