26日、9:30久しぶりにTEAM ROUND ABOUTのメンバーが集結@BUILDING K。編集者の植田実さんを迎える。
現在準備中の書籍『1995年以後』(仮称・2009年1月発売予定)の目玉として、植田実さんにインタビューを行った。伝説の雑誌『都市住宅』の創刊当時、植田さんは32歳だったという。ちなみに磯崎さんが37歳、伊東、安藤、石山らが27歳、元倉真琴さんらは22歳。
たまたまだが、『ROUND ABOUT JOURNAL』でインタビューしているレンジもほぼ一致している。僕が今年32歳。藤本さん、平田さんらが37歳、最年少のg86が22歳。なるほど、そういう距離感で彼らもムーブメントを作り上げていたわけで、大いに勇気が湧く。
植田さんと議論したかったのは、なぜ世代論を仕掛けたのか、それらはどういう意味を持ったと思うか、当時の社会的背景との関係についてどう考えているか、など。
『都市住宅』が創刊された1968年は霞ヶ関ビル竣工の年で、巨大建築とインフラが都市を覆い始めた時期に一致する。『RAJ』を発行し始めた2007年は1995年以降のグローバル・キャピタリズムに伴う都市空間の変化のピークの時期に一致する。100冊を数えた雑誌と10号にも満たないフリーペーパーは比較するのもおこがましいが、両者が世代論を問題にしているのは、単なる偶然というよりは、社会的コンテクストの構造的な反復に起因する。
終了後、植田さんにBUILDING Kをご案内。「今までありそうでなかった建築」「このビルだけで写真集を作れる」とコメントを頂く。『新建築』の掲載記事を読み込んで下さっていて驚いた。
植田さんと別れてから、久しぶりにTEAM ROUND ABOUTでミーティング。全員集合したのは恐らく2月のLRAJ打ち上げ以来。さすがにいろんなアイディアが出てスパーク。いろんな企画が一瞬の内に決まった。素晴らしいチームだ。
なお、当日の様子はこちらにも掲載されているので参照されたし。
27日、14:00カナダのブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)のスタジオスタート。生まれて初めて「課題」なるものを出したが、考え始めると意外と難しいもの。
悩んだ末、課題は「建築的ランドマーク」とした。ランドマークとはいかに設計可能か、そこに貢献し得る建築的思考とは何か、といったことを議論できればと考えた。
19:00スタジオ後、編集委員会に合流@建築学会。インテリアをめぐって議論が盛り上がる。インテリアとは結局フェティッシュの表現だ、最近の若手建築家はフェティッシュに傾倒しているのだ、という。
なるほどとも思うが、個人的な実感も含め、インテリアはフェティッシュ(表層)の表現を求められる一方で、動線や収容量など、厳密な機能(深層)の解決を求められる分野であり、異なる表現が乖離的に共存する独特の領域を構成していると思う。
インテリアが批評性を持っているとすれば、社会全体の建築設計に対する要求が、インテリアデザイン的に分解してしまっているという点においてである。建築表現にしても、表層と深層の一致よりもそれぞれの強度を求めるが故に、乖離的にならざるを得ず、インテリア化していると言える。
考えてみれば、誰もそうした指摘をしていないのではないか。商業主義が作家像の変更を迫っていることは確かだが、誰もがインテリア=フェティッシュだと片付けがちである。中村竜治さんの眼鏡屋さんが秀逸なのは、装飾は過剰にフェティッシュなのに構成は厳密に機能的で、それらが一致するというよりただ乖離的に共存している点だということもできるのではないか。
先日見た村野藤吾展は、繊細な手すりと同時に巨大な設備シャフトを同時に設計しているという二層構造が最も興味深かった。おそらく、商業主義に身を投じて建築家として名を残した建築家は、そういう二層構造を持っていたのだと思う。「手すり」も「設備シャフト」も、商業主義と深く関わっていることを考えれば、表裏一体の問題である。片方だけ論じていては見えない問題の広がりがある。
31日、18:00成瀬・猪熊の「ひとへやの森 インタラクティブな風景」展オープニングへ。インスタレーションは想像以上に刺激的で、成功していると思った。ただレクチャー後の討議では平田さんにマイクが回ったら最後、さながら独演会のようになってしまい、議論そのものは面白かったが、結局一言しか話せなかった。
彼らはあの風景を「インタラクティブ」というが、もっと説明が必要だと思った。身体と空間との関わりというならただ収納棚がある部屋だってインタラクティブである。どういうインタラクションなのか、もっと説明すれば、そこに尽くされる言葉から彼らは次の展開を導くだろう。
ヒルサイド・ウエストで11/4(火)まで。詳しくはこちら。
fujimura