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理論的、広告的、政治的

UBCのスタジオで超線形プロセスを実践していると、
いつも口を突いて出てくるメッセージが次の3つであることに気がついた。

1. "Do NOT Think!"
2. "Do NOT Imagine!"
3. "Do NOT Look back!!"

1.考えるな。考えることに拘ると、手が止まってしまう。何か作り、後で考えれば良い。

2.想像するな。想像することに頼りすぎると複雑さを受け入れられなくなり、図式的になってしまう。目の前の課題を発見し、小さなジャッジを繰り返して発展させれば良い。

3.振り返るな。最初の方がいいのでは、前の方がいいのでは、と振り返ってばっかりだといつまで経ってもアイディアが積み重なっていかない。出来たものに責任を持ち、問題があるならそれをただ改善すれば良い。

そうやって作業していくと、デザインのアルゴリズムがクリアになり、余計な自意識が取り除かれて、アウトプットがやわらかくなる気がする。そういうやわらかな建築のありかたを「社会的」と呼んでも良いかも知れない。

そのような考えを突き詰めた先の風景が、今回のURBAN COMMONSの展示というわけである。

BUILDING K日記
11/21(会場風景)
11/23(オープニング風景)

展示について、ジャーナリストの片野順子さんが早速レポートして下さっています。

Walking Embassy

オランダに留学しているとき、このブログを見てオランダまで取材に来て下さったのが片野さんである。あれから6年経ったと思うと感慨深い。

その他、下記の通り、ブロガー諸兄が感想をうぷしてくれています。

1.コミュニティーとコモナリティー(KELOG)

西田さんは「人間のコミュニティー(=共同体)がつくる風景」を問題にしているのに対して、藤村さんは「建築のコモナリティー(=共有性)がつくる風景」を問題にしている。西田さんのアプローチは空間プロデューサーでも可能かもしれないが藤村さんのアプローチは建築家にしかできない。似ているようで全然違う。

2.西田司+藤村龍至展(deline)

藤村氏はより多くの他者が介入できるプロセスを(主に建築を知っている人たちに)展示していたのに対し、西田先生は設計プロセスは隠し、他者が介入できる表現を作ろうとしていたことである。両者ともに他者介入の方法論を提出していたが、介入できる懐は西田先生の方が深いような気がした。

3.西田司+藤村龍至展/70’世代で建築の地域性を考える(City_Scape)

『建築の地域性』を、藤村さんは『建築形態』によって、西田さんは『空間現象』によって、獲得しようとしているといえよう。(中略)建築デザインは各々の建築家で棲み分けるべきだと思うが、世代を通した建築コンセプトはある程度共有するべきなんじゃないかなと今回の展示を見て強く感じた。

3人ともなかなか読ませますね。3人とも、藤村=建築的、西田=広告的という分類はほぼ共通しているようです。

そこで指摘されているように、西田さんと僕にはバックグラウンドや問題意識には共通点があることは確かであり、世代的にも一定の共感を覚える一方、アウトプットの仕方や戦略は全く異なる。僕は内向きに狭く、西田さんは外向きに広い、という違いである。

印象だが、西田さんのスタンスはぽむ企画にのそれに近い。建築家は言葉が難しいから、わかる言葉で翻訳しよう、そうすれば建築家はもっと社会的になる、という信念を感じる。

それに対して、僕はもう少しターゲットを建築家に絞ろうとしている。建築家の言葉がわかりにくいのは、そもそも社会に出すべきメッセージを失いかけているからだと感じるからである。

そもそも伝えるべきメッセージが無ければ、言葉をいくら紡いでメディアを整えても意味が無くなってしまう。建築家はまず、建築家同士で閉じた議論を繰り返して自分の立ち位置をはっきりさせ(理論的段階)、そのあとそれをわかりやすい言葉でメディアに載せ(広告的段階)、最終的にそれを社会制度上で運用する(政治的段階)を考えるべきだ。

その意味で、西田さんは僕よりも先の段階へ行っている。僕の議論は閉じているように見えるのは、自分の段階を理論的段階にあると位置づけているからである。そのことを狭く捉えるべきではない。

30日のシンポジウムで、そうしたことも話し合えればと思っている。

展示は30日(日)まで、馬車道のBankART NYKにて。刈谷悠三氏のデザインによるかっこいいパンフレット(フルカラー、16p)も出来上がったので、これを手に入れるために来ても損ではないです。特に、卒業設計に悩める諸兄にはぜひ見てもらいたい。
fujimura

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2008年11月24日 19:13に投稿されたエントリーのページです。

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