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ピーター・クック氏へインタビュー/伊東さんと会う

朝、代官山のアートフロント・ギャラリーへ。ピーター・クック氏へインタビュー。「最近のプロジェクトについて教えて下さい」と言ったら最後、全く淀みなくしゃべり続けること40分。最後の方に質問を辛うじて挟むも、時間が来て終了。

先日の菊竹さんもそうだったが、巨匠とは、話し続け、付け入る隙のない人のことを言うのだと知る。

ただ、聞きたかったメディアや教育と創作との関係、今回の「ヨーロッパ・アジア・パシフィック建築の新潮流」展のポイント、日本人建築家への印象などは話の中に全て盛り込まれていた。聞かれ続け、話し続けていることなのだろう。

流れで、シンポジウムを拝聴。全体に、ストーリーテーリングの上手いイギリス・EU組と、プラクティカルな日本・アジア組の対比が際立つ。EU、アジアとも、見るに耐えないプレゼもあったが、面白い試みをしている建築家もいて勉強になった。

また、討議でC.J.Limが「建築の可能性とはイノベイティブであること」と述べるシーンがあったが、そこのところなどはなかなかよかった。

7日、羽田より飛行機で熊本へ。バスと電車を乗り継ぎ、八代へ向かう。

まず八代市立博物館(1991)へ。城郭の中心、歴史的な建築に囲まれた敷地、柔らかなカーブの重なり、表と裏を意図的に強調するかのような構成。1人の建築家がステップを上がるときの並々ならぬ緊張感のようなものを感じて鳥肌が立つ。

手前に並ぶスチールのドームとテンション材にばかり目が行ってしまうが、収蔵庫まわりはRCのフレームだったり、それほど大きな建築でもないのに、構造の形式が複合的なのがいい。被覆なしスチールパイプのようにも見えるが、実は捨て型枠になっているRC柱も面白い。

空調のダクトにせよ、ぐねぐねの手すりにせよ、あるいは開放型のドレインにせよ、どれも力が入っていて、ディテールが過剰なところも面白い。ああしてみよう、こうしてみようと試行錯誤するクリエイティブなプロセスが想像できる。他方で、平板のまま下地にタッピングビスでバンバン止めている割り切った感じもかっこいい。

途中、通町のギャラリー8を見る。小さな建築なのに、曲線を駆使した複雑な構成。足下のRCの重量感と上部の鉄骨の軽さによる、外観には隠された構成の対比が興味深い。素材は抽象的ではないが、見切り材を極力用いないことで軽さを演出する伊東事務所的ディテール。

続いて、八代広域消防本部庁舎(1995)へ。両端部に設備スペースを確保してベントキャップや室外機、ドレインやダクトが集約されている等、表裏をはっきり作って演出にこだわっている市立博物館に比べるとトータルのディテールやプランニングの完成度は明らかに上がっているのがわかる。

ランドスケープがあり、プログラムが楽しそうに散らばっている感じはラ・ヴィレット・パークなど、当時の楽しい建築の感じがよみがえる。むやみに薄い壁とか作るより、プログラムの配列のほうが開放的で楽しいのではないか。

熊本に戻り、夕方より顔合わせの会食。県庁職員の方々、熊本大学の桂さん、九州大学の末広さんと合流しご挨拶。程なく北京の松原弘典さん、そしてピーター・クック夫妻に再会。

そしていよいよ伊東さんと対面。伊東事務所にオープンデスクに通っていたので、通りすがりに声を掛けてもらったことなどはあったが、きちんとお話しするのは初めて。「藤村さんの世代にとってアーキグラムってどういう感じなの」と聞かれる。気さくな雰囲気とは裏腹に意外と敷居の高い、ザ・イギリス人という感じのクック氏と、若輩に意見を聞こうとするオープンな伊東氏の対比が面白い。

シンポジウム「くまもとアートポリス特別記念シンポジウム『建築家ピーター・クックと未来を語る』」は8日(月)13:00から、県庁横のテルサホールにて行われます。お近くの方は是非。
fujimura

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2008年12月08日 01:06に投稿されたエントリーのページです。

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