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2008年を振り返って

東浩紀+北田暁大編『思想地図』vol.2が面白い。vol.1の「日本」も面白かったが、今回の「ジェネレーション」特集、特に後半の「胎動するインフラ・コミュニケーション」はより自分に引き付けて読める。

23日、その『思想地図』の忘年会にお誘い頂き渋谷へ。定刻に着いたら誰もいない。程なくして東さん登場。しかも宇野常寛さん、濱野智史さんらとともに。何やら派手な人が入って来たと思ったら鈴木謙介さん。東さんと鈴木さんとの間でいきなりハイテンションなやり取りが始まる。

その他、西島亮介さん、福島亮大さんなど続々集まって来て、最後に北田さん登場。3号以降の展開について丁々発止の議論。これがシンポジウム会場だったら観客が殺到するのでは。

少々あっけにとられていると、東さんに「藤村さんはシンポジウムの壇上ではクリアで攻撃的なのに、飲み会ではおとなしいのでは」と指摘される。vol.3での原稿の構想について話すと、「建築誌では書けないことを思い切って書いて欲しい」とハッパをかけられる。

2次会へ移動しつつ、鈴木謙介さんと話す。同い年なので「76世代盛り上げようぜ」的に意気投合。その他、濱野智史さんとアーキテクチャー・トーク。この「かなり通じている感」はかなり新鮮。

東さんと北田さん以外ほとんど初対面だったが、かなりの人が「批判的工学主義」のことを知っていた。『筑波批評』のインタビューを読んでくれたのだと言う。恐るべし筑波批評社。2008年の批評界では新世代の書き手が続々登場しているので、今後の交流が楽しみだ。

24日、コールハースDVD上映会@UPLINK。五十嵐さんと一緒にトークショー。コールハースは自分にとっても最大のロールモデルなので嬉しい。

映画では生い立ちからCCTVまで、本人や関係者へのインタビューを時系列的にテンポ良くまとめられている。オランダに留学し、OMAの伊東事務所にバイトに通っていた2002-2003年はちょうどCCTVの設計中だったので映画のなかにはリアルタイムで重なる部分もある。怒号が飛び交う殺伐とした事務所のなかを忙しそうに早足で動き回るコールハースの姿を思い出す。

資本主義社会の最前線で活躍しているコールハースだが、映画を見ているとトップダウンの意思決定が効く特殊なコンテクストでしか建築を実現していないこともよくわかる。オランダ大使館(公共)、CCTV(国営テレビ)、ポルト(公共)、プラダ(ミウッチャ・プラダ)など。

コールハースを後続世代が乗り越えるためには、真の意味でジェネリックシティの建築を実現する新たな建築家像を示す必要があるだろう。トークショーでは前夜の『思想地図』モードで「google的建築家像」を提唱したところ、五十嵐さんにいろいろ突っ込まれる。まだ少し議論は粗いが、自分のなかでストーリーは見えて来ている。『思想地図』で一気にまとめたいと思う。

DVDは特典映像も面白く、一見の価値ありです。

25日、石上純也さん、藤本壮介さんらと忘年会。神楽坂のバーの地下にある、すごく小さな個室にて。たわいもない話で楽しく過ごす。

27日、恒例の事務所忘年会。最初は10人くらいでこじんまりと。やがて続々集まり出してラッシュアワーのようになる。学生、編集者の方々、友人たちと集まって話しているうちに時間が過ぎて行く。

2008年は1月の「LIVE ROUND ABOUT JOURNAL」に始まり、6月のBUILDING K竣工、「批判的工学主義」特集、「風景の解像力」展、10月の「建築夜楽校」、11月の「URBAN COMMONS」展と、めまぐるしい1年だった。

やはりBUILDING Kが竣工したことは大きい。厳しいスケジュールとバジェットのもと、400坪の建築を無事引き渡せたことはひとつの自信になったし、事務所にとっても大きな蓄積になったと思う。9月で大学院を退学し、10月から大学で教え始めたことも心境の変化としてはなかなか大きかった。サポートして下さった関係者の皆様に感謝したい。

2009年は1月のLIVE ROUND ABOUT JOURNAL 2009およびフリーペーパー、インタビュー本の出版を皮切りに、3月に住宅の竣工、6月と9月に2本のビルの竣工がそれぞれ控えている。新しい建築プロジェクトや出版企画も進んでいる。2009年は2008年に提出した理論とプロジェクトをベースに、様々な応用を試みる年となるだろう。

他方で事務所の経営や博士論文など、課題もいろいろある。厳しい社会情勢のなか、より力強い建築家の活動や設計事務所の体制づくりを考え、実践して行きたいと思う。

2008年もご愛読ありがとうございました。2009年もどうぞよろしくお願い致します。
fujimura

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2008年12月27日 01:10に投稿されたエントリーのページです。

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