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来年もよろしくお願いいたします

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今月もあっという間にひと月経ってしまった。7日に見に行った「文五郎窯」が素晴らしかった。築数十年の倉庫のリノベだが、「既存コンクリートの補修」にこだわっただけあって、丁寧に3色に塗り分けられた補修跡が美しい。初めて行った信楽の町の雰囲気もいい。解説はここ→が詳細かつ的確。設計は田所克庸+上田篤。

8日はアートスタディーズ。90年代後半にアトリエ・ワンが到達した、住宅が示す公共性とは何か。「公共のゆらぎ アトリエ・ワンの時代」と題して、08年における彼らの作品の意義を意識しつつ95年以後の文脈で語る……つもりが、これはとても難しい問題で、11月以後今もずっと考えている。たぶん来年から先も、しばらく考え続けるテーマだと思う。発表を契機に書き始めた「住宅は公共建築である」というエントリを進めながら考えていきたい。他の発表者は、五十嵐太郎さん「伊東豊雄ビッグバン」、保坂健二朗さん「ドローイングは極私的メディアか 奈良美智を手がかりにして」、中村誠さん「ポスト・ミュージアム世代の作家たちとアジアへのまなざし 秋元珠江の映像作品を取り上げて」。打ち上げで、橋本さんから、アニ・ハウス掲載にあたってのjt編集部の様子を伺う。五十嵐さんからも、発表当時の理解について伺う。

13日はマキ(息子)の保育園で生活発表会。0歳の乳児クラスから小学校入学直前の6歳児クラスまで、学年ごとに出し物をする恒例の年末企画を見に行く。息子のいる4歳児クラスは初めての劇。大勢の大人の前でストーリーのある役を演じるのはまだまだ難しいようだったが、0歳時から同じクラスの子どもたちの成長ぶりにあらためて驚く。続いて5歳児のクラスを見て「来年はこんなに成長するのか」とまた驚く。マキがお世話になっている保育園はイベントも多くエキサイティングで、親としてはもちろん、社会人としてもとても勉強になる。就学前教育には大きく二種類あるが、文部科学省管轄で教育に重点が置かれた幼稚園とは異なる、厚生労働省管轄で「親が働いている」という一点のみを共通項とした保育園の存在感はおもしろい。人それぞれだとは思うけど、異年齢集団ってやっぱり良いものだと思う。親もいろいろである。保育園については項を改めて、また考えたい。
午後は「青木淳と建築を考える」とどちらにしようか迷いながらも、家族3人で保坂健二朗さんのレクチャーを聴きに、京都の近美へ。保坂さんキュレーションの展覧会「エモーショナル・ドローイング」では、辻直之さんのアニメーション作品がヒット。鉛筆で描いた線を消し、その上に新しく絵を描き足す。前に描かれた線が痕跡となって、フィルムに残り続ける。"描かれたもの"が連続することで作品となる、ドローイングの可能性を知ることができた。レクチャーを聴くと、ドローイングという手法が持つ自由度の高さを改めて知らされ、というかドローイングの持つ自由度を発見した保坂さんについて、さらに興味が沸く。保坂さんの次の企画展は2〜3年先になるらしく、メルクリ×青木淳展とドローイング展の両方を見ることができた今年は、観覧者としても幸運だったと思う。

14日は、マキと同じ世代の子を持つご近所が集まって「午後のおやつ会」…のはずが、子どもだけじゃなくて大人も集まってしまったので、昼間から飲むただの楽しい飲み会になってしまった。最近自宅の再改装をもくろんでいるのでその話をすると、「手伝うよ!」的なノリで盛り上がる。中には屋根の上に部屋を一つ作り足してしまった夫婦もいて、かなり心強い。皆セルフビルド欲が旺盛で、いろいろと経験を教えてくれる。
ちなみに、ここで集まるご夫婦はみなたいへん個性が強い。とりあえず国籍がバラバラなのだ。オランダ人の夫がアジア各地で種苗を仕入れてくる夫婦(妻は日本人)=子ども2人。大学でフランス語を教えながら小説を書くフランス人の夫と、現代音楽のピアニストの妻(日本人)=子ども1人。画家志望で、現在はテーマパークの建物を塗る塗装職人(かなりの職人芸)の日本人夫とフランス人と日本人のハーフである妻=子ども3人。子どもも、見るからにモンゴリアンなのはマキだけ。各国の教育事情や日本の対外国人政策について聞く。「小学校までは日本でもいいんだけど……」との発言にはなんとなく頷けた。
それぞれに子どもがいて、それぞれにエピソードがある。この日最も共感したのは、「子どもが初めて三輪車に乗ったのを見て思わず泣いた」と話しつつ涙ぐんでいたピアニストの母親の心境。それまではバギー(乳母車)に"乗せられて"移動していた自分の子どもが、三輪車を手にして初めて1人で、自分の意志で乗り物を操って移動する。その子がどんな世界を見始めたのかと思うと、泣けるという。というかここは思い切り泣くところだと思う。

20日は、岡田栄造さん、満田衛資さん、森田一弥さんらと忘年会。スペシャルゲストがJIA U-40コンペでファイナルに残ったためこちらにいらした前田茂樹さん。日本では地元の堺でお仕事をスタートされるらしく、京阪神あたりがさらに面白くなるに違いない。二次会はみなさんを自宅にお招きして……というかむりやり引っ張り込んで、3時頃まで気の置けない話をいろいろ。

27日は中山英之さんにつないでいただいて、京都精華大学片木孝治スタジオの講評会に参加。片木さん、馬場徹さん、河内一泰さん、永山祐子さんという講師陣+ゲストの中山英之さん、岡田栄造さん、森田一弥さん、山崎。講評会なんて見るのは二回目、コメントするのなんてもちろん初めてなので、とても良い勉強をさせていただきました。片木さん、中山さん、ありがとうございました。森田さんが日記に書くように、学生さんの数に対してこの面子はかなり大変なことになっているのではないか。となると面白いのは各々のコメントの違い。僕はきっと的はずれなことも言ったに違いない……。違いないけど、でもそれで良いようにも思う(←図々しい)。13時〜20時半という長時間の講評。21時半から三条ラジオカフェでの打ち上げ+忘年会に家族3人で参加。取材を終えた桂さんも参戦。片木さんからは鯖江市で展開中の産業×アートの試みを伺う。久しぶりに会った永山さんからも近況を。そして、中山さんとアトリエ・ワンの話で盛り上がる。終わりがけにみなさんから「山崎はうるさがたで良いのではないか」とエール(?)を送られた。飲み会の席で自分に言及されることってほとんどないので(あっても、○○に似ているとかなので)恐縮。来年はもっとたくさんの実作を見たい。京都にはもう一人、この日は東京にいらっしゃっていた素晴らしいうるさがたがいる。
この日は、『建築学生のハローワーク』が届く。山崎は編集者の項を書かせていただきました。各章の扉に描かれたマンガ(たかぎみ江)がかなり面白いです。

29日は会社の仕事納め。夜は、妻の両親と1年間のお礼を兼ねたお食事。30日はアクシス1月号が届く。桂さんが書く「ROUND ABOUT JOURNAL」評。写真をチーム内でかき集めて渡したので、クレジットがえらいことになっていて面白い。LRAJ2009も、もうすぐ。その前にRAJ8のいろいろを仕上げなければ……。家の大掃除が半分終わったところで妻が(掃除のしすぎで)体調を崩す。

では、来年もよろしくお願いいたします。

yamasaki

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2008年12月31日 03:22に投稿されたエントリーのページです。

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